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寒くて憂鬱な気分が抜けない… それって冬季うつかも?

寒くて憂鬱な気分が抜けない… それって冬季うつかも?

厳しい寒さが続く日々。「なんだか最近、やる気が起きない」、「疲れやすくて、落ち込みやすい」、「眠くて仕方ない……」なんて悩んでいませんか? 実はこれ、冬だけに見られる季節性のうつ病「冬季うつ」かもしれません。

今回は、パークサイド日比谷クリニック院長の立川秀樹医師にお話を伺いました。

■冬季うつって何?

──冬季うつとは、具体的にどのような症状があげられますか? 他のうつと異なる特徴はありますか?

「秋から冬にかけてうつ状態になり、春から夏になると症状が軽快するような、季節に関係して経過するうつ病を『季節性感情障害(冬季うつ病・SAD)』と言います。

症状は比較的軽度で、ゆううつ、悲哀感、意欲の低下、日中や夕方の眠気、睡眠時間の延長、過食、糖質・炭水化物に対する渇望、体重増加などが挙げられます。通常のうつ病は、食欲が低下し、不眠になります。この点が、冬季うつとの一番の違いですね」

──時期は何月頃に見られますか?

「米国の調査によると季節性感情障害の8割以上が、秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春から夏にかけて軽躁状態(けいそうじょうたい)を示すタイプであると言われています。

当医の臨床経験上では、10月中旬から増えてきて、4月ごろから改善していきます」

■冬季うつの原因は?

──冬季うつになってしまう原因を教えてください。

「まだ、原因は不明です。可能性として、遺伝負因や、睡眠ホルモンの一種メラトニン分泌のタイミングが遅れていることが多く、これがうつ状態を引き起こすのではないかと推測されています。メラトニンは、日差しを浴びている日中は分泌が減り、陽が落ちて暗くなると分泌が増します。分泌が増えると眠くなり、冬季うつの症状である眠気は、日照時間が短くメラトニン分泌が増えたからではないかと仮説されています」

──冬季うつにかかりやすい人の特徴があれば教えてください。

「基本的には内因性(遺伝負因が強い)に近いと言われているので、性格はそんなには関係ありません。ただ、発症以降悪化する人には、生活習慣の乱れている人が多い傾向があります。

夜型の人、朝の起床時間が遅い、バラつきがちな人は要注意です。メラトニン仮説が有力なので、体内時計が乱れる生活は極力避けましょう。食生活も重要です。あくまで傾向としてですが、炭水化物やジャンクフード、多くの女性が好むチョコレートなど刺激性・依存性の高い食べ物を好む人は要注意です。

また、増悪因子として若干あるのは、葛藤しやすい人です。『この時期は仕方ないね』と考えられる人はなりづらく、逆に、『何で毎年こうなるんだ』、『今年は絶対こうならないように頑張らねば』など、完ぺき主義や融通が利かない人、考えに幅を持たせられない人はなりやすい傾向があります」

■女性に多いって本当?

──20代~30代の女性に多くみられる症状と聞いたのですが、本当でしょうか? 先生がお考えになる原因や理由を教えてください。

「20代~30代女性は多い印象です。明確な理由はまだ解明されていませんが、当医は、人生の変化とホルモンの影響を想定しています。20代くらいに発症すると考えられていますが、元来内因性なため、それ以前に傾向が出ているはずです。

あくまで当医の考えですが、男性より女性に多いということに関しては、やはり、決定的な違いはホルモンではないでしょうか。男性ホルモンは一生かけて変化しますが、女性ホルモンは1カ月内で変化します。人は恒常性を保とうとする生き物であり、変化はストレスとなります。日照量という変化に加え、1カ月でホルモンが大きく変化する女性は男性より恒常性保持が難しいです。よって、男女差を説明するにはホルモンが影響していると考えることが妥当と思います」

■冬季うつの予防と治療

──冬季うつにならないために、どのような日常生活を心がけると良いでしょうか?

「1番大事なのは、生活リズムを整えること。まず、朝起きたらどんなに眠くても、ベッドから出ることが重要です。その時、必ず朝日を部屋に入れるように心がけてください。なるべく三度の食事を同じ時間帯にとり、腹時計を正常化させましょう。

睡眠覚醒リズムを一定にすることも重要です。寝る時間だけでなく、生活の位相そのものを前倒しにしないと、自律神経のリズムが乱れ、良い睡眠が取れません。一番良くないとされているのが、寝床に入った後のスマホ操作。暗い中でスマホの画面を見ると、覚醒の交感神経が刺激され、眠りが浅くなります。帰宅時間、夕食、入浴など生活の位相そのものを見直すことも大切です。

また、大きな生活の変化も原因になることがあります。引越し、昇進、結婚などは転機にはなりますが、生活史上の大きな変化なのでストレスや疲れとなることが多いです。ただでさえ調子が完調ではないこの時期に変化にさらされると疲労困憊・疲弊しやすくなりますよ」

──冬季うつで悩む女性にアドバイスがありましたら、お聞かせください。

「うつ症状が出ている期間は辛いと思いますが、生活を見直して健康的に人生を歩むための機会だと考えることも大切です。冬季うつを完全になくそうと思わず、ある程度個性と捉え、うまく付き合いましょう。

性格(心)にも個性があるように、脳(体)にも個性があります。片頭痛や喘息を患っている人は、雨や台風など気圧が乱れると調子が悪くなります。それと同じように、日照時間が短くなる時期は、あまり調子が上がらなくても想定内だと思うことで、葛藤をなくし自分を許してあげることも大切です」

寒くなってやる気が出ないと感じる方は、まず朝日を浴びるところから始めてみてはどうでしょう。それでもやる気が出ない人は、1人で悩まず医療機関に相談してみて!

(やまかわきよえ+ノオト)