結婚・入籍前におこなう結納の、マナー・準備・費用

結婚・入籍前におこなう結納の、マナー・準備・費用

結納とは、婚約にあたっての日本伝統のしきたりであり、新たに親族となる両家が飲食をともにして婚約を祝ったことが始まりとされている。最近は結納を省略するカップルが増えているが、結納についてはふたりだけで決めずに、両家の意向を確認して決めたい。ここでは、気になる結納のマナーや準備、費用について紹介する。

結納当日までの準備

日本の文化・伝統である結納の品々のセット

結納の内容やしきたりは地方によってさまざま。形式は大きく分けて関東式と関西式があり、さらに細かく地方独特の慣習もある。両家の土地の結納のしきたりを調べ、お互いが納得できる方法を決めよう。

結納をおこなう時期は、結婚式予定の1年から半年前までが目安。両家の都合の合う日で、お日柄を気にするなら大安、友引、先勝などに。仲人を立てる場合は仲人の都合を最優先にして決めること。結納の場所については女性側の自宅でおこなうことが多かったが、最近はホテルや結婚式場、レストランや料亭などを会場に選ぶカップルが多い。結納パックのある会場なら準備もスムーズにできる。

結納品とは結納の儀式で贈る縁起物であり、必ず奇数で揃える。関東式の標準的な結納品(9品)は以下の通り。

目録(もくろく)

結納の品の内容明細。

熨斗(のし)

のしあわびともいい、もともとはあわびを伸ばしたもの。不老長寿の象徴。

御帯料(おんおびりょう)

結納金。小袖料ともいう。

勝男武士(かつおぶし)

鰹節。武運を祈る気持ちを込めた品。

寿留女(するめ)

するめは保存食であることから、末長く幸せが続くようにという願い。

子生婦(こんぶ)

昆布。生命力の強さがあるため、子孫繁栄を願う品。

友白髪(ともしらが)

麻糸を白髪に見立てた品。夫婦ともに白髪になるまで長寿できるようにという願い。

末廣(すえひろ)

一対の純白の扇子。純真無垢を示し末広がりに幸せになれるようにという願い。

家内喜多留(やなぎだる)

柳の樽に入れた祝酒。多くの喜びを貯める樽の意。酒肴料として現金を包む場合も。

これらは地方によって品目も数もさまざまで、関西式では同じ9品でも内容が異なる。

結納品はデパートやホテルのブライダルサロンや結納品専門店で購入できるが、ホテルや結婚式場の結納パックを利用すると会場が準備してくれることが多い。価格は9品目で2~5万円程度。関西式では1品をひとつの台にそれぞれ載せるので、関東式より1~2割程度高くなる。

結納を取り交わす際には、結納品の内容を記した目録と、それを受領した証として受書(うけしょ)が必要になる。結納品とセットで市販されている。

また結納時には奉書紙にしたためた家族書や親族書を添える。新しく親族としてつきあうために紹介しあうという意味で交換されるが、最近は省略されることもあるので、こちらも必要かどうか確認しよう。

結納金とは男性側が女性側に贈るお金のことで、男性から女性の両親へ、これまでの感謝と誠意を表す意味があるとされている。100万円や50万円など、キリのよい金額で贈るのが一般的。男性の月収の2~3ヵ月分というのが目安といわれるが、地方によっても相場が違うので確認しよう。また最近では結納金を取り交わさないカップルも増えている。

結納金に対する女性側からの結納返しは、関東式では半額程度をお返しする。結納金の1~3割程度を返すところもあり、現金ではなく腕時計やスーツなどの品物で返す場合も。その場合は20万円~が相場とされる。最初から結納金を半額にしてお返しを省くやり方もある。双方で話し合って決めよう。

結納金は省略するとしても、結納品や会食の費用などで10万円以上はかかると考えておいた方がいい。

縁結びや良縁祈願で有名な埼玉県川越市の氷川神社の「氷川会館」でも結納プランが提供されており、料金は11,000~16,000円。曜日や提供する料理によって料金が異なるため予約時に確認しよう。縁結びの神様に見守られながら、両家の縁をより深めることができる。こちらの会場でも結納品セットの販売や各種サービスに対応しているので、結納の準備に不安がある人は会場のサービスを利用しよう。

結納当日の流れとマナー

結納当日の服装は、男性本人と父親はダークスーツ、女性本人は振り袖か訪問着、ワンピース。母親はワンピースかスーツ、訪問着というのが一般的。両家の格が合うように、事前に相談して決めることが大切。

次に、仲人を立てない場合の結納の流れについて説明しよう。

1.飾りつけ~入室

結納式をおこなう部屋で結納品の飾りつけをおこなう。和室なら床の間やその前、洋室ならテーブルに飾る。男性側が上座となる奥側に座り、女性側が入り口に近い下座に座ることが多い。関東式では結納品に近い上座にふたりが座るが、関西式ではふたりが末席に座る。会話は挨拶程度にして静かに進めること。

2.はじめの挨拶

進行は男性の父親がおこなうのが一般的。挨拶の口上が終わったら一同で深く礼を。他の会話は慎むようにする。

挨拶の口上例

「この度は、〇〇様(女性の名前)と、私どもの息子●●に素晴らしいご縁を頂戴いたしましてありがとうございます。本日はお日柄もよろしいので、結納の儀を取り交わせていただきます」

3.男性側が結納品を納める

男性の母親が結納品を載せた台ごと女性の前に運び、軽く礼をして席に戻る。男性の父が口上を述べて深く一礼。男性本人が運び、口上を述べてもいい。

口上例

「こちらは●●(もしくは私ども□□家)からの結納品でございます。いくひさしくお納めください」

女性側全員で目録に目を通し、女性本人がお礼の口上を述べて一同深く礼。女性の母がいただいた結納品を飾り、受書を男性の父もしくは男性に渡す。男性側は礼を言い、受書を確認する。

4.女性側が結納品を納める

次に女性側の母親が結納品を男性の前に運び、軽く礼をして席に戻る。女性の父が口上を述べ、深く一礼。男性側は会釈して結納品を受け取り、全員で目録に目を通す。男性本人がお礼の口上を述べ、一同深く礼。男性の母が結納品を飾り、女性側が受書を渡して同様に確認する。

5.記念品の交換~結びの挨拶

婚約指輪など婚約記念品があればお披露目を。事前に男性から女性に贈っているなら「婚約記念品としていただきました」と見せるだけでもいい。

すべての儀式が終了したら、男性の父が口上を述べ、一同で深く礼をして結びとなる。

口上例

「本日は誠にありがとうございました。無事結納を納めることができました。いくひさしく、よろしくお願い申し上げます。」

6.祝宴

結納後は、両家で会食をすることが多い。自宅で結納をした場合は、自宅でおもてなしをするか、近くの料亭やレストランに移動して会食を。和やかな雰囲気でお互いに良好な関係が築けるようにしよう。

結納をするにあたって悩んだら

お互いの実家が遠く離れている場合、集まりやすい立地を考えて会場を選ぼう。正式な結納なら女性側の実家のある土地でおこなうのがよい。結婚式の会場が決まっているか候補の会場があれば下見を兼ねて会場を利用しても。

両家にとって大切なイベントとなるので、きちんとした厳かな雰囲気が必要な一方、結納後の会食は寛いで和やかにしたいもの。正座が辛い人がいる場合には椅子席の会場や掘りごたつ式の個室にするなど、会場のスタッフとも相談して配慮しよう。

双方の土地柄やしきたり、価値観が違いすぎて難航する場合は、しきたりを重んじる方の考えに合わせるのが無難。わだかまりを残すことのないよう、お互いが納得できる形式にしたい。結婚は当人同士だけでなく、親にとっては大事に育ててきた子どもの人生の節目。そんな気持ちを尊重して、親の意見には耳を傾けよう。

正式な結納をおこなわない場合、親同士の顔合わせの食事会をしよう。料亭やレストランの個室などプライベートな空間で、おいしい料理を楽しめる場所を選びたい。

執筆者:ポウパッド

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