身に覚えがないのに生理が来ない! 無月経ってどんな症状?

身に覚えがないのに生理が来ない! 無月経ってどんな症状?

産婦人科医に聞いた!
生理の悩みは人それぞれですが、中には「生理が来ない」ことで悩む女子も多いはず。身に覚えがないのに生理が来ない……それってもしかしたら「無月経」かもしれません。

知っておきたい「無月経」のこと。産婦人科である芥川バースクリニック院長の芥川修先生に、お話を伺いました。

■無月経について知ろう

──無月経とはどんな状態のことを指すのでしょうか。

「無月経とは、月経があるべき女性に月経が起こらない状態のことを言います。大きく『原発性無月経』と『続発性無月経』に分けられます。

『原発性無月経』とは月経になったことがない状態を指します。初めての月経が18歳になっても起こらない場合に、診断されるものです。

『続発性無月経』とは、以前は継続して訪れていた月経が、何らかの理由で3カ月以上起きなくなった症状を言います。妊娠や授乳、閉経による無月経も続発性無月経に含まれますが、これらは『生理的無月経』と呼ばれ、治療の対象からは外れます。なお、続発性無月経は月経が来ないこと以外はほとんど自覚症状がないのも特徴の1つです」

──続発性無月経の原因を教えてください。

「精神的な過度のストレスや急激なダイエット、過度の運動(スポーツ選手など)、過食や拒食などが続発性無月経の主な原因となります。視床下部から出されるホルモンによって、卵巣で卵子が成熟しますが、これらの原因によって視床下部が機能不全を起こしてしまい、無月経を引き起こすんです。また、人工妊娠中絶や流産による子宮の裂傷、ホルモン治療などの薬も続発性無月経を引き起こすことがあります」

■ホルモンバランスの乱れに繋がる

──無月経を放置しておくと、どうなってしまうのでしょうか。

「女性ホルモンバランスが大きく崩れます。体温が低かったり血行が悪くなったりすることで顔色もくすみがち。さらに水分も失われやすく脂分も少ないので、どうしても乾燥しがちになる上に、皮膚のバリア機能が低下し、敏感になっています。化粧が崩れやすい原因にもなりますね。

また、長期に無月経が続くと女性ホルモンの分泌が低下するのでエストロゲンの分泌が減少します。それにより骨密度が低くなり、骨粗しょう症を引き起こし、骨折にも繋がりやすくなります。

月経は子宮の中で厚くなっていった子宮内膜が月に1回はがれ、体の外に出てくる現象。つまり毎月子宮の中を大掃除しているようなものなのです。月経不順や無月経で、この子宮の大掃除が定期的にできなくなると、子宮の中で古くなった子宮内膜が溜まり、『子宮体がん』のリスクになることもあります」

■無月経の治療

──無月経はどのように治療・改善していくのでしょうか。

「無月経や月経不順の治療は、基本的に薬による『薬物治療』が中心です。ただし、別の病気のせいで月経不順になっている場合は、まず大元の病気を治療するのが先決です。3カ月以上月経が全くない無月経の場合は、とにかくまず1度は出血させる必要があるので、ホルモン剤を1~2週間飲んだり筋肉注射でホルモンを補ったりして月経を起こすのが一般的です。

薬で月経を起こす方法として、『低用量ピル』を使用することもあります。ピルは1錠の中に、必要な女性ホルモン2種類が含まれている合成のホルモン剤。飲み方も簡単で、避妊にもなり、月経も軽くなるので、使いやすい薬です。他にも、2種類のホルモン剤を組み合わせてホルモンを補う『カウフマン療法』という方法があります。いずれも、本来卵巣から出るべき女性ホルモンを飲み薬で補うことで月経と同じ出血を起こすことができます。

ただし、極端なダイエットによって月経が止まってしまった『体重減少性無月経』の場合は、出血が起こること自体が体に大きな負担になってしまうので、例え 3カ月以上月経が来ていなくても体重がある程度元に戻るまでは無理に月経を起こさせないこともあります。ある程度体重が戻れば、月経も自然に回復してくる場合があります。

月経不順で無排卵になっていても、すぐに妊娠を希望していないのなら、基本的には排卵誘発剤は使いません。卵巣が疲れているから月経不順になっているのに、その卵巣に鞭打って無理やり排卵させるのはかなりの負担になってしまうからです。ただし、妊娠を目指している方の場合は何とかして排卵しなければ妊娠は望めないので、初めから排卵誘発剤を使ってとにかくきちんと排卵するように治療を進めていきます」

■体のSOSを受け止めて!

──月経不順など、生理に悩む女性に対して、アドバイスをお願いします。

「月経不順は体からのSOSです。もしも月経周期が乱れたら、今の生活を見直すきっかけにしましょう。ポイントはストレスの解消と規則正しい生活です」

・ 冷えを解消するため、入浴では湯船に浸かる
・ 無理なダイエットをしない
・ バランスの取れた食事をする
・ ストレスをため込みすぎない
・ 軽い運動を心がける
・ 早寝早起きを心がけて、質の良い睡眠を取る
・ 禁煙する

「多くの女性が悩まされる、生理にまつわる諸症状。個人差が大きいため、何が異常かわからない方も少なくないかもしれません。日頃から自分の月経周期を把握しておき、おかしいと思った時は医師に相談してください。治療では受け身になるのではなく、日常生活で改善できることをしっかり行っていくことも大切です。『無月経』は治すことのできる症状です。あきらめないでください」


なかなか人に聞くことのできない生理の悩み。ちょっとでも不安があれば、お医者さんに相談するようにしてくださいね。きっと、楽になるはずですよ。

(伊東ししゃも+ノオト)

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