嫉妬が止まらない… 彼を束縛してしまう「オセロ症候群」って?

嫉妬が止まらない… 彼を束縛してしまう「オセロ症候群」って?

恋人の行動が気になって仕方ない!
つい恋人の携帯電話をチェックしてしまったり、相手の行動を逐一把握しないと気が済まなかったり……。そういった小さな嫉妬はよく聞く話。でもそれって、本当に「性格」で片付けてしまって良いのでしょうか。もしかしたらそれは「オセロ症候群」なのかもしれません。

今回は、そんなオセロ症候群に関して、心理学・精神医学の観点から、椿森クリニック院長の野村隆司先生にお話を伺いました。

■オセロ症候群とは?

──オセロ症候群とはどういうものなのでしょうか?

「オセロ症候群は、恋愛の苦悩に身悶えるシェイクスピアの歌劇『オセロ』から名付けられた、嫉妬妄想を主とする症候群です。一つの病気や障害の概念として、臨床現場で確立しているわけではありませんが、心理学的には恋愛(嫉妬)妄想を主体とする対人関係の障害と言われています。

配偶者や恋人に対して『病的な』嫉妬を抱いてしまう症状、または症候群を引き起こす状態を指す、と考えた方が簡単でしょう」

──具体的にはどんな症状を引き起こすのでしょうか?

「人に対する嫉妬や、恋人に対して他の異性と仲良くしてほしくないと思う感情は、誰にでもあります。しかし、『確たる証拠もないのに浮気を疑い続け』『相手を強く束縛してしまう』といった嫉妬妄想が原因となって、本人や相手の日常生活に支障をきたしてしまうような場合が『オセロ症候群』に当てはまります。

恋人に対する根拠のない強い嫉妬心と浮気に対する妄想が特徴的であり、『相手から自分は裏切られるのではないか』『相手から見捨てられるのではないか』という不安をいつも抱いています」

■オセロ症候群を引き起こす原因

──オセロ症候群を引き起こす原因、背景となる環境や性格などがあったら教えてください。

「オセロ症候群を一つにまとめて、原因や背景となる環境や性格を正確に説明することは不可能です。しかし、そういう状態を引き起こす可能性のあるメンタル疾患は数多くあり、その代表的なものとして、妄想性障害、パーソナリティ障害、アルコール中毒の3つが挙げられます。これらの病気の症状として、恋人に対して深い嫉妬を抱き、確実な証拠もないのに相手の浮気を疑い続ける、相手を束縛しようとする行動に出てしまうことがあります。

原因としては、以前に誰かに見捨てられたという経験が強く影響を及ぼしていることがあります。例えば、自分が小さいころに両親が不倫や離婚をしている、友人や恋人からひどい裏切りを受けたことなどがある場合、その時に感じた孤独感や恐怖を二度と味わいたくないという気持ちが嫉妬妄想につながっていくことも多いようです」

■専門医やカウンセラーと相談して

──オセロ症候群に陥ってしまいそうな状態の緩和や、普段の生活の中でできることがあれば教えてください。

「なかなか難しい質問です。別の病気が原因であったり、過去の辛い経験があったりする場合には、本人だけでは対応がとても困難です。まずは、通常のレベルを超えて、病的な嫉妬を抱いているかどうか、自分自身で気付くことが第一です。自分が抱いている嫉妬に原因や証拠がないにも関わらず、自分自身や相手の日常生活に支障をきたしてしまう場合には注意するようにしましょう」

──オセロ症候群を治すためにはどうすれば良いのでしょうか。

「オセロ症候群は一つの画一された病気ではないため、明確な治療法があるわけではありません。症状を引き起こしている背景や経験などがある場合には、その原因を取り除くということがオセロ症候群を治すことにつながります。

原因となる病気がわかっている場合には、速やかに専門医の適切な治療を受けることが必要です。そうでない場合には、どういう治療が効果的なのか知るためにカウンセラーと相談することが重要ですよ」

■恋人とうまくいかない…そんな時は?

──最後に「自分は嫉妬深いほうだ」と思っている女性に対して、気持ちが楽になるようなアドバイスをお願いします。

「オセロ症候群の人は、自分の愛を前面に置いて考える傾向にあります。その愛は正義であり、悪いのは自分を不安にさせてしまう恋人や配偶者だと考え、相手を責めることが多いようです。しかし、間違ってはいけないのは、相手に対する温かい愛情から嫉妬が生まれているのではなく、一人になってしまう恐怖感、見捨てられる不安感や焦りが、相手に対する強い猜疑心と束縛を生んでしまっているという事実です。

人は理由なく疑われると、とても辛く悲しく嫌な気持ちになります。恋人関係が破たんしてしまうのは、妄想嫉妬を原因として日常生活に支障が出てしまい、好意がなくなった、一緒にいられないという理由であることが非常に多いようです。

恋人間のことは、周囲の人もなかなか問題の本質を理解できません。そのため本人に対しては『嫉妬しすぎだ、束縛がきつすぎるのではないか』、相手に対しては『嫉妬される言動をするのが悪い、本人を安心させれば良い』など、気軽な助言をしがちです。しかし、本来であれば日常生活に支障をきたして困っていることを理解してあげる必要があります。

まず、あなたの嫉妬は病的なものかどうか、背景や原因は何が考えられるのか、治療はどうすれば良いのかなど、専門医に相談することが大切です。仮に専門医の判断で問題がなければ一安心ですし、問題があったとしても、その後の対応方法がはっきりして気持ちが楽になることが多いと言えるでしょう」


嫉妬が止まらない……そんな時は、まずは専門医やカウンセラーに相談してみて。少し気持ちが楽になるかもしれませんよ。

(伊東ししゃも+ノオト)

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