医師に聞いた! 5月病って本当はどんな病気?

医師に聞いた! 5月病って本当はどんな病気?

「がんばらない」が合言葉♪
毎年春によく聞かれる「5月病」。最近では4月病や6月病なんていう言葉も噂されているほど。それは単なる気のせいで済ませて良いもの? それとも何らかの病気や心身の不調のサイン?

今回は「きょう こころのクリニック」の院長であり、医学博士である姜昌勲先生に、5月病に関して心療内科の観点から、詳しいお話を伺ってきました。

■5月病とは

──さっそくですが、5月病とはどんな病気なのでしょうか。

「医学的に診断名として『5月病』という病名は存在しません。5月病は、時期的に5月ころに起きるメンタル不調の総称となります。

入社・入学、部署の移動など、4月に起こるさまざまな環境の変化が5月病の要因です。環境変化が起こったばかりのころは、皆それに適応しようとがんばるため、最初はメンタルの不調は起こらないんです。しかしだんだんしんどくなり、張り詰めていた糸が切れてしまった時、心身の不調をきたすことがあります。これが、5月病です」

──5月病にかかりやすい人のタイプなどはありますか?

「5月病はどんな人でも起こりうる、というのが重要なポイントです。以前は『病前性格』と言って、どんな人がメンタルヘルス不調になりやすいのか、鬱になりやすいのか、など研究がされてきました。しかし近年ではそれはあまり重要視しない傾向にあります。

5月病は、性格によらずどんな人でも起こりうる病気であることを知ってください。5月病になってしまった人を責めない、なってしまってからどうしていくか考えることが大事なんです」

■がんばらなくても良い!

──5月病の予防や、かからないようにするための心構え、対策はありますか?

「とにかく無理しない、がんばらないことです。自分がやらなきゃいけないなどと言った、『○○せねばならない』思考から離れることがとっても大切。普段どうしてもがんばっちゃうという人は、がんばり加減は腹六分くらいを心がけて。そうすれば自ずと腹八分くらいの力が出せますよ。

また、適度な運動を心がけることで、自律神経の安定にもつながります。例えば20〜30分くらいの散歩が効果的。『マインドフルネス』と呼んでいるのですが、散歩をしながら景色・音などを、解釈せず、あるがまま受け入れるのがなお良いでしょう」

■1人で悩まないで!

──5月病にかかってしまった時に、それを緩和・治療していくにはどうしたら良いでしょうか。

「とにかく1人でなんとかしようと悩まずに、周りに相談することが大切です。たとえば気付きのポイントとして『眠れない』『食欲がない』『ご飯がおいしく感じられない』などがあります。そういった普段とはちょっとだけ違うような違和感に気付いたら、すぐに同僚や友だち、家族に打ち明けることが大事。

また、それでも迷ったら医療機関を受診しましょう。『こんなことで受診して良いのかな……』と悩む人も多いのですが、悩みは人と比べるものではありません。小さなことでも、専門家に相談することでラクになることが多いですよ」

■今この瞬間を楽しもう!

──最後に、5月病に対して不安に思う女性に、一言お願いします。

「先のことを考えて不安になったり、先回りして悪いことを考えてしまったり……そういった予期不安は女性に多く見られます。そういう時こそ、『今』この瞬間に立ち返ることが大切です。楽しめること、打ち込めること、みなさんにはありますか? 仕事以外の趣味やプライベートで、没頭できることを見つけてください。いろんな環境での『自分』を持つことが大事なんです。今を楽しむことができれば、過去に対する後悔も、未来への不安もなくなるはずですよ」


誰にでも起こる可能性がある5月病。だけど、必ず治る病気だそうです。ちょっとでも不安なことがあれば1人で抱え込むことなく、周りに相談して、上手に新しい季節を乗り切っていきましょうね。

(伊東ししゃも+ノオト)

関連記事