慣れればメリットいっぱい! 女子の身体をサポートしてくれる低用量ピル

慣れればメリットいっぱい! 女子の身体をサポートしてくれる低用量ピル

子宮トラブルの予防にも!
生理日の調整や生理前の体調不調の緩和など、女子にうれしいさまざまなメリットがあると言われる低用量ピル。でも、実際のところどんなものなのかよくわからない、飲むことに抵抗がある……と思っている人が少なくないかも。

ピルのメリットや飲み方、気になる検診の内容や副作用などを池袋クリニックの村上雄太先生に伺いました。

■生理日を調整できる! ピルのメリットとは

──ピルとはどのようなものなのでしょうか?

「ピルは1日1錠、決まった時間に服用するタイプの薬剤です。飲むことで、不規則な生活やストレスで乱れがちなホルモンバランスが一定に保たれるため、生理周期を自分で自由に調整できるようになります。またPMS改善のためのピル服用は世界的にも一般的で、月経前の情緒不安定やホルモンバランスの乱れによる大人ニキビの改善効果が期待できます。さらに排卵を抑制するので、避妊がしやすくなります。結果的には子宮体癌、卵巣癌の予防になり、子宮内膜症の進行抑制や発症予防の期待もできるのです。

使用方法は、21日間服用し、7日間薬を飲まない『休薬』期間を設け、生理出血の有無に関係なく8日目から服用を再開します。中には24錠の実薬を服用し、4日間休薬するタイプもあります。服用時間がバラバラだと吸収率が低下し、避妊効果にも支障が出る恐れがあるので、できれば決めた時間から2時間の誤差で服用してください」

実は筆者もピル服用経験者。それまではいつ生理が来るかわからず、“ゲリラ生理”で下着を汚してガッカリすることもしばしば。でも、ピルを服用して生理がきっちり予定日に来るようになり、大助かりでした。

■副作用は個人差あり

──逆に副作用などのデメリットもあるのでしょうか?

「一般的に見られる副作用は頭痛、吐き気、むくみでしょう。内服を開始してしばらくはニキビが一時的に増える方もいますが、いずれにしろ2~3シートで慣れて落ち着いてきます。それでも症状が変わらない場合は、ピルの種類を変更するなどの対処が必要です。

また、ピル服用中の飲酒については避妊効果が低下することはありませんが、飲み過ぎてしまい嘔吐や下痢を誘発させると、ピルの有効成分が正しく吸収されない可能性があるので注意が必要です」

──ピルに向く体質、向かない体質はあるのでしょうか?

「ピルが向くか向かないかは飲まないとわかりません。中には何を飲んでも具合が悪くなる方も本当にまれにはいます」

■検診内容と金額は安心できる医療機関で確認を

──ピルはどのように処方してもらえば良いのでしょうか?

「日本では医療機関でないと処方はできません。当院のように婦人科専門施設で、ピルについて詳しい情報をHPなどで公開している医療機関なら安心して相談できると思います。中には、ピルにはいろいろな種類があるにも関わらず、それらの説明もなく、ただ売って終わりにしてしまう医療機関もあるので気を付けましょう」

──初診と、以降の定期健診の内容を教えてください。

「初診では問診票に記入し、血圧測定を行った後、ピルの服用指導を受けます。その後の検診は施設によって異なりますが、当院では半年ごとの採血、年1回の婦人科検診をオススメしており、人間ドックや他施設の結果を代用することもできます」

──ピルは月々いくらなのでしょうか?

「当院では1シート1,980円~2,300円(税込)です。施設によって異なるので、確認することをオススメします。ピルには保険が適用されるものと、されないものがあります。保険適用のピルに関してはどの施設で処方を受けても金額は同じですが、これはあくまでも月経困難症や、子宮内膜症の治療目的で処方されるものです。結果として避妊もできますが、添付文書には避妊効果の記載はありません。

保険診療はあくまでも病気に対しての治療が目的です。避妊は病気ではないので、先に挙げた病気以外の目的で使用する場合は自費処方となります」

■ピルは自分を守る選択肢

──ピルを飲む人は増えていますか?

「間違いなく10年前よりは増加していますが、それでも欧米先進国の女性に比べると、日本女性の使用率は低いです。これは、国内の教育現場の責任も大きいと思います」

──ALICEY読者にメッセージをお願いします。

「妊娠は女性がすることですから、その大事なタイミングを決める権利は女性にあります。自分で自分の身体を守ることの大切さに気付かなければならないと思います。

また、現代女性は出産経験年齢が遅く、出産経験回数も減っている傾向にあるので、自然な月経回数が増加しています。その結果、子宮内膜症をはじめ、子宮体癌、卵巣癌などの発症リスクが増加しているのが現状です。ピルは継続して服用することで、100%に近い安心・安全な避妊ができるだけでなく、不妊症の要因でもある子宮内膜症などの病気からも自分を守れる選択肢です。

血栓症や乳癌、子宮頸癌の発症リスクが若干増加する可能性があるとも言われていますが、それはあくまでも可能性の話。デメリットを考えて服用しないのは非現実的だと思います。ピルのガイドラインで服用禁止とされている方以外は、本来誰でも気軽に服用していただきたい薬剤です」

ピルのことが何もわからなかった時は、筆者も不安でいっぱいでした。でも、ピルのことを知り、ピルを飲む生活が当たり前になった頃には、自分の身体をサポートしてくれる相棒のような存在になりました。

生理や妊娠タイミングのコントロールだけでなく、子宮系のトラブルの予防にも有効とされるピル。女性特有の身体の問題に直面する前の予防策として、活用してみてはいかがでしょうか。


(五十嵐綾子+ノオト)

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