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20代女性の間で急増中! キスでもうつる「梅毒」の恐怖
知っておきたい病気・健康のはなし

20代女性の間で急増中! キスでもうつる「梅毒」の恐怖

今、20代の女性に急速に拡がっている「梅毒」という病をご存知でしょうか?
  
性交渉だけでなく、実はキスでもうつるほどの感染力なのだとか……。そんな梅毒について、今回は性感染症(性病)の専門クリニックであるプライベートケアクリニック東京の院長を務める尾上泰彦先生にお話を伺いました。

■性行為やキスによって感染してしまう梅毒とは

──まず、梅毒とはそもそもどのような病気なのかを教えてください。

「梅毒とは『トレポネーマ』という病原体から発生する感染症のことを言い、全身に症状が現れるのが特徴です。

異性との接触により発症する性病の1つで、セックスはもちろん、キスによっても感染する可能性があります(セックスによる感染率は35%ほど)。

症状は感染後の時期に合わせて、第1期から第4期まで4つのステージに分かれます」

■20代女性に梅毒が急増している理由は、マッチングアプリ?

──厚生労働省の発表したデータによると、1990年以降の患者数は年間1000人以下であったにもかかわらず、2011年から梅毒が急増しているそうですね。その理由はどういったところにあるのでしょうか?

「具体的に増加したのは2011年からで、現在の患者数は7000人を超えていると言われています。しかし、疫学的調査が行われておらず、具体的な原因は明らかになっていないのが実情です。

推測ですが、原因の1つとしてインバウンドが加速し、外国人が増え、人口が増加したことが挙げられるでしょう。

20代の女性に急増している主な理由は、マッチングアプリの存在が考えられます。アプリによって男女の出会いの数が増えただけではなく、ラフな関係性を持つ男女が増え、結果として気軽にセックスしてしまう人が増えたのだと思います」

■放置しておくと最悪の場合、死に至ることも

──各フェーズにはどのような症状が出るのか具体的に教えてください。

「第1期は感染後3週間から3ヶ月の状態。トレポネーマが陰部や口唇部など侵入し、リンパ腺が腫れ、性器や唇、胸に、硬性下疳(こうせいげかん ※硬いしこりがつぶれて生じる潰瘍)ができます。この段階では特に痛みはありません。

第2期は感染後3ヶ月以降〜3年までの状態で、主に皮膚症状が現れます。手足や胸、背中にバラ疹(小さな紅色斑)ができ、人によっては梅毒性脱毛といって、毛が抜けたり、口の中に白斑ができることも。ここまで症状が進むと梅毒と気づく人も多いですが、この段階でも痛くもかゆくもない状態で、数週間で消えてしまうこともあります。

第3期は3年以降の状態。顔に結節性梅毒疹というものができたり、皮下組織にゴムのような腫瘍ができます。ここでも症状に痛みはないのですが、外出できないくらい顔が変形してしまうため、外を歩くこともできなくなります。

第4期は10年以上経過した状態。大動脈炎や大動脈瘤が発生し、脳や神経が侵され、人格障害(精神病)になり、最悪の場合は死に至ります」

■「巧妙なペテン師」と呼ばれる梅毒の恐怖

──梅毒の恐ろしさはどんなところにありますか?

「最も注意しなければいけないのは、初期段階の症状が非常にわかりづらいこと。加えて、実は梅毒はそもそも症状が出ないケースもあるんです。症状が出なければ治療もできませんし、ずっと潜伏している可能性もあります。

また、痛みがなく、日数が経つと症状が消えてしまうものもあり、『治ったのかな』と錯覚を起こしてしまう人が多いため、非常にやっかいなんです。

症状も非常に複雑で、専門医に診てもらわないと感染かどうか判断できないこともあるし、そもそも梅毒であることを疑わない医師もいるほど。

以上のような理由から、医者をも欺くことができる梅毒は、別名『巧妙なペテン師』とも言われています」

■「梅毒かも!?」と思ったらすぐに病院へ

──もし梅毒になってしまったら、どう対処すればいいでしょうか?

「上記であげたような症状が出て、梅毒の可能性があると少しでも感じたら、まずは近くの病院に行きましょう。皮膚症状が出ていたら、皮膚科でも大丈夫ですが、できれば性感染症か梅毒に精通している専門医がいる病院に行くことをおすすめします。

症状が第1期や第2期であれば、1〜2ヶ月処方された抗菌薬を内服することで治療します。第3期や第4期であれば、入院で点滴を打つなどの処置も必要かもしれません。

とにかく早期発見が重要となります。症状が悪化する前に、対処しましょう」

■梅毒の予防法

──梅毒に感染しないようにするためには、どのような対処法がありますか?

「まずは安易に見知らぬ人と性行為を行わないこと。自分がいくら健康であっても、相手からもらってしまう危険性があるのが性感染症の怖いところです。

また、パートナーができたらまずはお互い検査を受けるようにしましょう。その上で、性行為を行う時には必ずコンドームをつけること。これは避妊目的だけではなく、性感染症の感染確率を下げる効果もあるためです」


「パートナーは清潔な人だから大丈夫だ」と思い込むのは危険。梅毒にならないようにするためには一人ひとりの予防の徹底が必要不可欠なので、検査は必ず行いましょう。また、症状に心当たりのある人は、まず専門医へ診断に行ってみてください。

(辻野祐馬+アリシー編集部)