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トイレのフタを閉めるのはなぜ? ノロウイルス対策法を押さえよう
知っておきたい病気・健康のはなし

トイレのフタを閉めるのはなぜ? ノロウイルス対策法を押さえよう

寒くなってくると、ノロウイルスの名前をよく耳にしますよね。トイレにある「フタを閉めて」という貼り紙も気になるところ。でも実際のところ、どんな病気でどのような対策が必要なのか、しっかり理解している人は少ないはず。そこで西新宿きさらぎクリニックの石川尚之先生に、ノロウイルスの基礎知識や対策などを伺いました。

■冬に激増するノロウイルス。「触れる」「食べる」が主な原因

──ノロウイルスとはそもそもどのようなウイルスなのでしょうか?

「感染性胃腸炎を引き起こすウイルスです。毎年11月ごろから増え始め、12月~翌年1月ごろにピークを迎えます。主な症状は嘔吐、下痢、腹痛です。子どもやお年寄りなど、抵抗力の弱い人は吐いたものが喉に詰まったり、肺に入って肺炎を起こしたりして、死亡する場合もあります」

──どのような感染経路がありますか?

「人の手指や食品を介した感染が主です。例えば、感染者の糞便や吐物からウイルスが手指に接触する、感染者が調理した食品を食べる、感染者が調理に使用した食器や調理器具に触れる、ウイルスに汚染された牡蠣などの二枚貝を生もしくは十分に加熱調理せずに食べるなど。

ほかにも、カーペットなどに吐いてしまった後の消毒処理が不十分で、乾燥して空中に舞い上がったウイルスを吸い込んでしまったり、ウイルスに汚染された井戸水や水道水を飲んでしまったり、というケースもあります」

──外出先のトイレで「ノロウイルス防止のため、フタを閉めてください」という注意書きをよく見かけますが、感染経路と関係がありますか?

「感染拡大を防止する目的だと考えられます。水を流す際にウイルスが飛び散り、水洗ボタンやレバーなど、他の人が触れる場所に付着しないようにしているのでしょう」

■治療法がない!? 手洗いやウイルス除去を徹底しよう

──感染してしまったら、どのように治療するのですか?

「実はノロウイルスには、治療法や予防のためのワクチンなどがありません。十分に水分補給して脱水症状を防ぎ、栄養を摂って安静にしていることが基本的な治し方です。1~2日で症状はなくなるでしょう」

──では、予防がとても大事になってくるのですね。基本的な予防法を教えてください。

「手指に付いたノロウイルスを減らすのに最も有効なのは手洗いです。帰宅時、調理をする前、食事前、トイレの後などに流水と石鹸でしっかり手洗いしてください。石鹸そのものにはノロウイルスを死滅させる効果はなく、手洗いだけでは完全にノロウイルスを除去することはできないのですが、汚れを落とすことで手指からノロウイルスがはがれやすくなります。

また、ドアノブや手すり、トイレ、イスといった、家庭や職場などで共用する物もウイルス除去するようにしてください。ウイルス除去には次亜塩素酸ナトリウムで消毒した後、洗剤を使って掃除するのが有効です。次亜塩素酸ナトリウムには金属腐食性があるため、消毒後はしっかりと薬剤を拭き取りましょう」

──ノロウイルス対策として、置き型や首から提げるタイプの除菌剤は効果があるのでしょうか?

「わかりません。というのも、今のところ、そのような商品で細菌・ウイルス感染予防効果がある医薬品・医薬部外品として認められているものはないようなのです。医薬品として承認されていないものには除菌効果や人体への影響などのデータがなく、効果のほどは不明です」

■食べ物の扱いも厳重に。二枚貝は特に注意

──食品の扱いも怖いですね。調理の際に気を付けることは何でしょうか?

「まず大前提は手や食器、調理器具類を清潔にすることです。その上で、二枚貝を食べる時はより注意を払ってください。

ウイルスは一般的に熱に弱く、加熱することで死滅しますので、二枚貝は85~90℃で90秒以上、中心部まで加熱しましょう。調理する際も専用の調理器具を使用するか、使う度に熱湯消毒してください」


これからの時期、年末年始のイベントなどで大勢の人に会ったり、いろいろなところで食事をしたりするシーンも多いはず。楽しいことがたくさんあるこのシーズン、下痢や嘔吐に悩まされたくないですよね。手洗いやウイルス除去を入念に、トイレのフタもしっかり閉めて、ばっちり対策していきましょう!

(五十嵐綾子+アリシー編集部)