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注ぎ方を変えるだけで!? 中野・麦酒大学の「人生を変えるビール」が衝撃的すぎた

注ぎ方を変えるだけで!? 中野・麦酒大学の「人生を変えるビール」が衝撃的すぎた

こんにちは! アラサーライターの大木亜希子です。すっかり夏本番ですね。

この暑い時期、日銭で稼ぐ私のようなフリーライターの夢を神様がたったひとつ叶えてくれるとしたら……それはもう迷わず

「最高においしいビールを飲ませてくださいッ! とにかくグビグビ飲みたいですッ!」と絶対に願います。もう、ホント、それだけです。

仕事終わり、うまいビールを気持ちよく飲んで頑張った自分を労ってあげる瞬間って、最高ですよね。でも、冷蔵庫でグラスを冷やして缶ビールを注いでみても、冷え過ぎていたり、泡が立ちすぎたりして満足できないこともしばしば。お店で飲むようなビールの味を家で再現するのは無理があるのかなぁ……。

そんなことを考えていた時、東京・中野に、キリンラガービールたった1種類を「注ぎ分ける」ことにより、10種類以上の味わいに変化させることが可能だという“謎店”があるウワサを聞きつけました。さっそく行ってきましたよ!

■人生を変えるビールは中野にあった

その名も、「麦酒大学」。JR中野駅南口から徒歩2分程度の場所にあります。

人生観を変えるなんて旗が立っていて、当初は「そんな大袈裟な(笑)」と半信半疑。

まずは、店主の山本祥三学長にご挨拶。学長は20年以上にわたり酒屋に勤め、飲食店などに向けた営業などを担当してきたお酒のスペシャリスト。現在も定期的にビール講習会などで講師をしています。

注ぎ続けて20年って、そりゃあ、もう「学長」として名乗っても誰も文句は言えません。ポップな店内には黒板もあって、店名の通り学校っぽい……。

ビアサーバーは、3タイプ完備。写真左は数多くの居酒屋さんで利用されている一般的な「平成のサーバー」、そして真ん中が昭和8年当時に使われていた「昭和のサーバー」(復刻版)、そして写真右が欧州を中心に使われている「ヨーロッパのサーバー」。これを見るだけでも学長のこだわりが感じられます。

■1杯目 店の名がつく自慢の「麦酒大学注ぎ」

「とりあえずお任せのビールで!」と伝えて、最初に用意してくれたのは「麦酒大学注ぎ」(650円)。

作る過程を見せてもらいましたが、「平成のサーバー」でゆっくりビールが注がれる光景が美しいです……。

「こうして注ぐことでしっかりと炭酸が閉じこめられるんですよ。泡の上部は通常よりもクリーミーな状態になります。よく見ると、荒い泡と細かい泡が上下で二層になっています」と学長。

そして、そこから上部の荒い泡を押し流し、下部の細かい泡だけを残して完成! パテを使って「泡切り」することで、ツヤツヤのパールのような表面が浮き出るんだとか。

カウンターに出てきたその瞬間から、黄金色の美しさにウットリ。本来、週1回程度で良いとされるサーバー内のスポンジ清掃を学長自ら毎日行っていることもあり、濁りがまったくなくて超透明。

柔らかい飲み心地ですっきりと飲みやすい。上品な味わいなのに、しっかりと炭酸も効いています……。まさにパーフェクトバランス。

■2杯目 どう考えても泡がモコモコすぎる「3度注ぎ」

その次は、完成まで5分かかるという贅沢な「3度注ぎ」(650円)。

オーダーを受けた途端、学長は水道の蛇口をひねるかの如く威勢よく「昭和のサーバー」でグラスにビールを注ぎ始めました。

これだけジョボジョボと強く注ぐと当然ビールも泡立ちまくり、なんだか不穏な見た目に。これ、大丈夫なんですか!?

「はい。こうして勢いよく泡を立てることで、ビールの苦味を泡のほうにもっていく注ぎ方なんです。泡がおさまってから、さらに3回に分けてしっかり注いでいきますよ」

こうして作られた泡は一見固そうに見えますが、触れるとマシュマロみたいにフワッフワ。

スプーンで泡だけすくって食べてみたのですが、すんごく苦い! でも、不快な味ではなくて、ホップの成分による苦味でエグみはありません。

泡に苦味がいく分、液体のほうは本来の麦の味が強く出ていて驚くほど甘いです。例えるならばサトウキビジュースのよう。ちょっと待って……。これ先ほどの「麦酒大学注ぎ」と同じキリンラガービールなのよね? 味が全然違うんですけど! 注ぎ方だけでこんなに変わるもんなのか……。

衝撃を受けながらも次のメニューへ。

■3杯目 もはや牛乳! 真っ白な「ミルコ」 

お次は、取材前から気になって仕方がなかった「ミルコ」(500円)を注文。

注いでいる時から、泡でワケがわからないくらいビールが真っ白になっちゃっていますけど……学長、これ本来ならば「失敗作」とされるのでは?

「いえいえ、これもこれで正しいのです。チェコの『ピルスナー・ウルケル』という醸造所で伝わる泡だけの注ぎ方なんですよ。現地では牛乳と言う意味の『ムリーコ』とも呼ばれています。こちらは、牛乳を飲むように、ゴクゴクと飲んでみてください」

仰せのとおり腰に手をあて牛乳のように飲んでやりましたよ。おぉ……! すごい!

普段ビールを飲む時って、ビールの「液体のほう」を味わうイメージが強いですが、泡だけ飲んでもしっかりコクがあっておいしい! 初めて体験する不思議な感覚です。クリーミーな液体が柔らかく口に広がり、もはや生クリーム……。

その後、「ミルコ」の進化系で、泡を何度も注ぎ足しながら甘みを最大限に引き出す「メルティ」(750円)も飲みましたが、こちらも衝撃的な喉越し。柔らかな飲み口で、ビールの苦味が緩和されていました。

■初心者向けのビール「大澤注ぎ」

ビールが苦手だという人も、ご安心ください。麦酒大学のメニューの中で一番飲みやすく作られた「大澤注ぎ」(750円)を紹介します。

こちらは「三度注ぎ」の泡を平成のビールサーバーでクリーミーな泡に置き換えた注ぎ方。炭酸や苦味を抑えた優しい喉越しで飲みやすいです。実際に、ビールが苦手な人が「これなら飲める!」と麦酒大学を訪れるほどだそうですよ。

■注ぎ方をマスターすれば自宅でも絶品ビールが楽しめる!?

さすがビールの研究を長年続けてきた学長の注ぎテクニック……! どのビールも個性的でおいしすぎます。せっかくなので、自宅でも簡単にできる「上手なビールの注ぎ方」も教えてもらっちゃいました。

「注ぐ時、缶の口元を一気にグラスへ傾けてしまっている人が多いと思います。でも、缶本体を勢いよく下へ傾けると、液体がジャバジャバと出てきて粗い泡になってしまう。ですから、口元のほうへ意識を向けるのではなく、缶のお尻のほう(※写真内丸囲み)に意識を向けて、スーッと静かに上へ持ち上げるイメージで注げばキレイな泡を作ることができるんです」

なるほど……。少しの工夫だけで、おいしいビールに一歩近づくんですね。

■ビールを最高の状態で飲むためのこだわり

麦酒大学では、ビールを最適な温度で提供するために、サーバー周辺を23度になるように設定しているのだそう。少し店内が寒いと感じる場合もあるので、特に女性は一枚羽織るものを用意して行きましょう!

麦酒大学では、ビールだけじゃなく、ビアカクテルやサワーなども用意しています。この夏はビール好きな方も、そうでない方も、一度はこの「麦酒大学」に入学して、山本学長の講義を受けてみてください! はじめて尽くしのビール体験に、デートで来ても女子会で来ても盛り上がること間違いなしですよ!

(大木亜希子+ノオト)