静まった時に限って… 空腹音やゲップなどのメカニズムって?

静まった時に限って… 空腹音やゲップなどのメカニズムって?

恥ずかしすぎる“あの音”の防止法
大事な時に限って鳴ってしまうお腹の音。生理現象だとわかっていても、やっぱり恥ずかしいですよね。

空腹音やゲップ、オナラなど、身体から出るさまざまな“音”について、西新宿きさらぎクリニックの石川尚之先生にお話を伺いました。

■お腹が鳴りやすい食べ物がある!?

──お腹が鳴ってしまうのはなぜでしょうか?

「まず、空腹時にお腹が鳴るのは、消化管が強く収縮する『空腹期収縮』が起こるためです。食べ物や空気、消化液などがかき混ぜられると、音を発することがあります。

また、空腹期収縮は食後6~8時間後に起き、胃で起きた後に小腸でも次々と発生するので、空腹時以外にお腹が鳴ることもあります。胃や小腸が強く収縮し、中にあるものを先へ先へと運ぶ強い蠕動(ぜんどう)運動の結果、胃や小腸の中は空っぽになります。お腹がグーと鳴る時は、お腹の中では掃除が行われているのです」

──お腹の音が鳴りやすい食べ物の種類はありますか?

「サツマイモ、ゴボウ、大豆など、ガスが発生しやすい不溶性食物繊維が多く含まれるものです。また炭酸飲料は空気を多く含むため、音が出やすくなります。冷たいもの、熱いもの、辛いものなど刺激的なものも、胃腸に負担がかかってしまうので良くありません」

──大きな音が出てしまう人とそうでない人の違いは何でしょうか?

「早食いをする人や炭酸飲料を飲みすぎている人、便秘気味の人は大きい音が出る傾向があり、要注意です」

■甘いもので空腹音を防止!

──周りが静まった時に限ってお腹が鳴り響いてしまうような気がします。周囲の環境とお腹の音は関係するのでしょうか?

「私たちの身体は、交感神経と副交感神経から成る自律神経によってコントロールされています。そのうち、お腹が鳴るのは交感神経の作用です。過度の緊張やストレス、睡眠不足などは交感神経の活動を過敏にしてしまうため、お腹が鳴りやすくなってしまうと考えられます」

──なるべく音を目立たなくするにはどうしたら良いでしょうか?

「胃腸は生命を維持するために自分の意思とは関係なく動く場所なので、お腹が鳴らないように胃腸の働きをコントロールすることはできません。

ですが、チョコレートや飴など甘いものをひとくち食べると血糖値が上がり、お腹が鳴るのを抑えることはできます。また猫背など姿勢が悪いとお腹を圧迫してしまい、お腹が鳴りやすくなる原因になります。姿勢を正しくするのも効果的かも知れません」

■過度なゲップ・オナラは食事の仕方も原因!?

──空腹音以外だとゲップ、オナラも困りがちですよね。

「ゲップは、食事や呼吸、会話などを通じて胃の中に溜まった空気が口から出る生理現象です。体内に入った空気の一部は一時的に胃に溜まり、やがて体内で吸収されますが、胃に溜まった空気の量が多くなると、余分な空気がゲップとなって排出されます。

またオナラの原因は大きく分けて2つ。約70%が口から入った空気で、残りの約30%が腸内で腸内細菌が食べ物を分解する時に発生すると言われています」

──ゲップやオナラの多い人、少ない人の違いは何でしょうか?

「ゲップやオナラは口から飲み込んだ空気が主な原因です。飲み込む空気を減らすには、炭酸飲料を控える、よく噛んで食べる、歯の噛み締めに気を付けることが挙げられます」

──過度なゲップやオナラは身体の不調サインである場合もありますか? 

「普段からゲップが多い場合は呑気症や逆流性食道炎、胃の調子が悪いサインであることも考えられます。オナラが多く出る原因としては、早食い、よく噛まない、炭酸飲料を好んで飲む、ストレスが多い、動物性脂肪や食物繊維の摂りすぎ、睡眠不足などが挙げられます。また重大な腸の病気が隠れている場合もあります。どちらも場合によってはお医者さんに相談した方が良いでしょう」

■ポイントは空気を「入れない」「作らない」

──ゲップやオナラ我慢すると身体にどのような影響がありますか?

「ゲップを我慢すると、空気は腸に行き、オナラの原因となります。またオナラを我慢すると腸が張って動きが悪くなり、便が停滞します。便秘がひどくなると腹痛、嘔気、嘔吐することがある上、さらに悪化するとますますガスが溜まってしまい、ガスを我慢すると腸壁にへこみができる『大腸憩室(けいしつ)』を招く可能性もあります」

──できるだけゲップ、オナラを少なくするための対策法を教えてください。

「第1は空気を『入れない』ことです。早食いやがぶ飲みをすると空気を多く飲み込むので、ゆっくり飲食することを心がけてください。また胃の中の空気を出すと腸のガスも減るので、ゲップも我慢しないこと。

第2はガスを『作らない』ことです。大腸内に便が滞留すると発酵してガスの発生源になるので、便秘をしないよう気を付けてください。そして、食物繊維などを意識したバランスの良い食事や、善玉菌を増やすために乳酸菌などを積極的に摂ることが望ましいですね」

恥ずかしい音を防止するため、食事の仕方や生活スタイルなどに気を付けてみてはいかがでしょうか。

(五十嵐綾子+ノオト)

関連記事