彼とのキスで感染するかも!? 「キス病」って知ってる?

彼とのキスで感染するかも!? 「キス病」って知ってる?

ディープキスをするとかかりやすい!?
性行為にまつわる病気というのは時々耳にすることがありますが、なんでもキスするだけでかかってしまう「キス病」という病気があるんだとか。

では、恋人とのキスはどうしたら良いのでしょう? この病気について、神戸大学 医学部附属病院 感染症内科の岩田健太郎先生にお話を伺いました。

■ディープキスをするとかかりやすい!?

──キス病とはいったいどんな病気なのですか?

「正式名称を『伝染性単核球症』と言います。EBウィルスというヘルペスウィルスなどに感染することによって起こる病気です」

──どんな症状があるのですか?

「喉が痛くなり、熱が出て、全身の倦怠感などが続きます。風邪の症状に似ていて、これらの症状だけでは伝染性単核球症とは診断されません。患者が若い成人である場合には病名の候補に挙がってきて、最終的には血液検査で確定します。まれにですが、原因ウィルスがHIVなことがあります。この場合はHIVに対しての治療になっていきます。また、EBウィルスが引き起こす慢性活動性EBウィルス感染症という病気もありますが、これは全く別の病気です」
──「キス病」と呼ばれているのはなぜでしょうか?

「主に唾液中にいるEBウィルスによって引き起こされるのですが、ディープキスをすると唾液の交換が行われるためにかかりやすくなるからです。軽いキスならば確率は低くなります。これに関しては、アメリカの大学生を対象に、キスの深さと伝染性単核球症の感染率を調べた研究結果があります。 深いキスをしている人ほど、この病気にかかりやすいことがわかっています」

■治療法と予防法は?

──治療方法はどういうものが考えられますか?

「勝手に治るので、治療はしません。治るまでじっと待つのが大事ですが、喉の痛みに対して痛み止めを処方するなどの対症療法を行うことがあります。症状に個人差が大きく、1~2週間ですっと治ってしまう方から、喉の痛みが引いても、半年から1年くらい全身の倦怠感が続く方までさまざまです。めったにいませんが、喉の腫れがひどくなって呼吸がしづらくなるなど重症化し、入院することもあります。その場合はステロイドを投与して炎症を抑えるなどの治療を行います。若かったり、体力があったりするから治りやすいということはありません」

──予防方法はありますか? 恋人とのキスでもかかってしまう可能性があるのですよね?

「可能性はありますが、キスをした人の総数を考えると、めったに起きない病気ではあるので、伝染性単核球症にかかりたくないからキスをしない、という話にはならないと思います」

というわけで、どうやら必要以上におびえることはなさそうです。が、風邪のような症状が続く場合は放置せずに病院へ行った方が良さそう。治療方法がないとは言え、対症療法は行えますし、伝染性単核球症であることがわかれば、他の病気の可能性が排除できますからね。

実は、筆者もかかったことがあるのですが「誰かとキスしましたか?」なんてことは聞かれませんでしたのでご安心を!

(田中いつき+ノオト)

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