美しさの定義は人それぞれ パリジェンヌのリアルな美容事情

美しさの定義は人それぞれ パリジェンヌのリアルな美容事情

【海外美容レポートvol.5】
フランスでも、女優や歌手のセレブたちの中に整形をしているな、と思わせる人を見かけます。 女優でなくとも、パリの高級デパートがあるエリアに行けば、整形顔風のマダムとすれ違うことも少なくありません。

というのも、みなさん妙にシワがなく、ぷっくりした唇で、口元が上に引っ張られている表情をされているからです。

身近なパリジェンヌを見ていると、彼女たちが年齢を追って気にするのは「シミ」より、圧倒的に「シワ」なのではないかと思います。日本人と違って目や鼻が大きく立体的であるからか、年月を経るごとに重力の影響を受けやすいようなのです。

彼女たちが気にする「シワ」は、目元、口元だけでなく、ほっぺや、おでこなど、顔のあらゆるところに出現してきます。


パリのマダムたちは、日本人女性の想像を超えるほど「シワ」との恐怖に立ち向かっているに違いありません。ただし、整形というのはご存知のとおり、お金がかかります。

日本のように気軽にアルバイトができる制度もなく、長く不景気が続き、失業率も日本の3倍以上というこの国では、特に若い人は整形に手を出せるようなお金を持っていません。

そのため、パリで「整形」というと、お金に余裕のある年配マダムが利用するものだというイメージがあります。以前テレビで観た、パリで整形をするマダムのレポートでも、「シワ」取りのボトックス注射が1本、日本円で20万くらいはしていました。

パリのマダムたちは、50代でも60代でも、それ以上の年代でも恋愛を続ける人は珍しくありません。だから、美しくあり続けたいと願って豊胸手術や整形にお金を使う人も当然少なくないのです。
もちろん、整形をしないという選択をしているマダムもいます。例えば、フランスを代表する大女優のジェーン・バーキン。世界中の女性に絶大な人気を集めるエルメスの『バーキン』は、彼女のために作られた、というと知っている人もいるでしょうか。

若かりしころは、超ミニスカートが似合う妖精のように美しかった彼女。それが今は、年月と重力に一切あらがうことなく年を重ね、くっきりとしたシワも目立ちます。

そんな彼女を見ると「あんな美人でも、シワシワになるんだ……!」という驚きと恐さを感じてしまいます。 その一方で、整形を更新し続ける女優たちをテレビで見かけるたびに、これまた違う意味の恐さも感じてしまうのです。

価値観は人それぞれですが、私は堂々と、シワシワになっているジェーン・バーキンの方が、整形を繰り返す人々よりも幸せそうに見えます。それはきっと、若々しくいることを手放し、ありのままの年齢を受け入れることで、気持ちが楽になるからではないでしょうか。彼女たちの本心はわかりませんが、こんな風に、年の重ね方にも選択肢があるということを教えてもらえるのがパリという街なのです。

(中村綾花+ノオト)

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