ポップでカラフルなものに潜む闇と影−蜷川実花さんの個展スタート!

ポップでカラフルなものに潜む闇と影−蜷川実花さんの個展スタート!

イメージを覆す展示に圧倒!
オシャレ女子ならば、一度はLUMINEの広告に足を止めたことがあるのではないでしょうか? 鮮やかな色彩とファッショナブルな雰囲気にキュンときちゃいますよね♪ 広告の制作を担当しているのは、独自の世界観が大人気の写真家、蜷川実花さん。
そんな蜷川さんの原点から現在までをなぞる個展「蜷川実花:Self-image」が、東京・品川区の原美術館で1月24日(土)〜5月10日(日)まで開催されています。

今回は、1月22日に行われた記者会見の模様を特別にお届けしちゃいます!
品川駅高輪口から徒歩およそ15分。閑静な住宅街の中に見えてくるのが、会場の原美術館です。
中に入ってみると、蜷川さんへの個展祝いのお花がズラリ! 名前を見てみると、元AKB48の前田敦子さんに大島優子さん、向井理さん、吉高由里子さん、ゆず、仲里依紗さん、小泉今日子さん……とそうそうたる面々。これぞ芸能界……!
そう、蜷川さんと言えば、アイドルやモデル、俳優などを撮影した色鮮やかな作品が有名ですよね。でも今回は、そんなポップでカラフルなイメージとは異なる新しい魅力が詰まった展覧会になっているのだとか。蜷川さんはこのように話します。
「私のデビュー作品は、モノクロのセルフポートレート(自画像)。それから20年、コマーシャルや映画の仕事をしてきました。自分のクリエイションの規模が大きくなって、多くの人と関わるようになっていく中で、原点に帰って再スタートしてみたい、という気持ちが積もり積もっていったのです」
今回の展覧会は、セルフポートレートを中心に構成。蜷川さんが「生身に近い、何も武装していない」と語る写真約150点を展示しています。
「金魚は、人々の目を楽しませるために奇形と奇形を掛け合わせて面白い形を作った生き物。ソーセージは、ミンチした肉を腸に詰めた食べ物。私たちの生活の中には、よく考えたら残酷なものがあふれています。そんなノイズがたくさんある世の中で、どうやってたくましくしなやかに生きていくか、ということが大きなテーマになっています」
ギャラリー1は、床から天井までの室内全体に映像が映し出される幻想的な空間。映像に合わせる音楽は、電子音楽アーティストの渋谷慶一郎さんが担当しています。さらにギャラリー2には、社会の歪みやよどみを鮮明に映し出した作品「noir(ノアール)」、ギャラリー3には未発表のポートレート作品を展示しています。
蜷川さんは、学生のころから原美術館によく足を運んでいたそう。そんな場所での開催とあって「今回の展覧会にかける思いは強い」と語りました。

「展覧会を開くときは毎回本気で取り組みますが、何度もプランを練り直したり、展示物を調整したりするのは今回が初めてなんですよ。これをきっかけに自分自身が変わっていくような予感がしています」
そんな蜷川さんの個展を開催できることについて、館長の原俊夫さんは「蜷川さんの作品には『生きているもの』を伝える力があると思います。この展覧会を開催できて幸せに思います」と笑顔で話します。

さらにこの館長のコメントを受けて、同館スタッフは「原美術館35年の歴史の中で、記者会見で館長が『私にもしゃべらせろ』といきなり立ち上がって話したのは初めてなんですよ。蜷川さんの展覧会ができることに興奮しているようです(笑)」と話し、会場は笑いに包まれました。
蜷川さんの作品を通して見えてくる、人やモノの姿。華やかで幸福に満ちあふれていながら、どこか歪んでいて、時に衰退の影や死の気配を感じることができます。今までにない新たな蜷川ワールドをのぞいてみてはいかがでしょう?


<スポット情報>
原美術館
東京都品川区北品川4-7-25
TEL:03-3445-0651
営業時間 11:00~17:00(水曜日は20:00まで)
月曜日休館


(阿部綾奈/ノオト)

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