サルコペニア肥満とは?筋肉量を落とすのはNG!その原因と予防対策法を徹底紹介!

サルコペニア肥満とは?筋肉量を落とすのはNG!その原因と予防対策法を徹底紹介!

高齢者だけとは限らないサルコペニア肥満、筋肉が衰えないように気を付けます。

サルコペニア肥満は加齢や筋肉量の低下といった様々な要件をふまえて起こりうる肥満で、単なる肥満とは違った危険性をはらんでいる肥満といえます。もしも「サルコペニア肥満」といわれたら気をつけなければならないポイントや、サルコペニア肥満を予防するために必要なことなどを中心に、「サルコペニア肥満」についてご紹介します。

ロコモティブシンドロームの1症状、サルコペニア

人は誰でも加齢し、個人差はあれども加齢による様々な運動機能障害が起こる可能性が高くなり始めます。おおむね40歳頃を境目に、運動機能は自然と低下する傾向にありますが、この加齢による運動機能の低下をロコモティブシンドローム(以下「ロコモ」)といい、主に、骨、関節、筋肉の3部位に老化が起こります。

例えば骨に老化が進行すれば、「骨粗しょう症」、関節の老化であれば「変形性膝関節症」などの原因につながります。

さらに骨・関節の老化が原因で運動量が低下することで、筋肉量も低下すると、体の各部位の動きが悪くなる→自分で動くことができなくなる→将来要介護につながる可能性も高くなり、単なる「老化現象」では済まなくなります。そんなロコモによる筋肉量の低下を「サルコペニア」と呼びます。

また、サルコペニアが進んでしまうと、各種運動機能の阻害があるだけではなく様々な生活習慣病を誘引することにもつながるため、若い人はもちろんのこと、筋肉が自然減し始める一定の年齢層(30代後半~40代)になれば「サルコペニア」や、「サルコペニアによる肥満」について意識した生活を送ることが重要になります。

サルコペニアは骨や関節の老化と密接に関わっていますので、その負の関連をどこで断ち切るかが重要なカギとなります。

ロコモにおけるサルコペニア肥満の定義とは

まず、「サルコペニア」はもともとギリシア語で「骨格筋の減少」という意味で、サルコ(筋肉)とペニア(減少)が語源とされています。この、「サルコペニア」が誘引で起こる「サルコペニア肥満」の定義として一番のポイントになるのが、「加齢により筋肉量が低下し体が隠れ肥満状態になる」ということです。

一般的に筋肉と脂肪を比較すると脂肪の方が軽いため、筋肉量が低下すると一時的に体重は軽くなります。このとき、筋肉量を戻すことを視野に入れずに体重だけに着目していると、体重が変わらないのに体脂肪だけが増える、「筋肉と体脂肪が置き換わった状態」になります。

もちろん若くても運動不足による筋肉量低下により肥満になる人もいますが、一般的に若い人の筋肉は鍛えると標準的な機能まで回復し、痩せやすいのが特徴です。しかし、サルコペニア肥満における筋肉量低下は、加齢によるもので長年の蓄積が伴うほか筋肉の回復率にも限界がありますので、単純に鍛えればもとに戻るとは限りません。

このため、サルコペニア肥満の対象年齢に近づいたら、体重や体脂肪だけでなく、筋肉量にも注目した健康管理が必要になると考えられています。

サルコペニア肥満は若くても起こるってホント?

ここまでサルコペニアはロコモの1症状であるという点に着目してきましたが、サルコペニアやサルコペニア肥満は若い世代には起こらないのでしょうか。答えは「若くてもサルコペニア肥満になる」です。

そもそもサルコペニアの直訳は「骨格筋の低下」ですので、若い世代でも単なる運動不足以外で筋肉量の低下が起きた場合、それにより肥満状態になれば「サルコペニア肥満」と診断されます。

例えば幼少期における骨・筋肉の発育不全や重篤な内臓、四肢疾患、ケガの後遺症などにより筋肉を十分に鍛えることができない場合は分かりやすい例ですが、もともとは健康体であっても、筋肉を作るタンパク質の摂取量が適正でなければ、他の栄養素を摂っていても十分な筋肉が生成されず脂肪量のみが増えることになります。

特に本来の運動量が少ないにもかかわらず単品ダイエットなどでタンパク質を摂らない生活を続けると、サルコペニア肥満になりやすく、ダイエットをしているのにリバウンドをしたと勘違いしてさらに食生活とトレーニングのバランスが悪循環に陥ることが考えられます。

このように、一般的にはサルコペニアは加齢を伴うものが多いものの、若い年代でもサルコペニア肥満になるケースがあるということを頭に置いておく必要があります。

サルコペニアの種類について

では、サルコペニアの原因について詳しく着目してみましょう。サルコペニアの種類は、その原因によって4パターンに分けられます。まずは、「原発性サルコペニア」と「二次性サルコペニア」の2分類に分けられ、そのうち二次性サルコペニアが3パターンに分類されます。

原発性サルコペニアは 「加齢性サルコペニア」とも呼ばれ、二次性サルコペニアのような、加齢以外の原因がない場合を指します。

「二次性サルコペニア」はベッドで安静にしなければならないケガや病気に罹患している場合や、運動不足などが原因でサルコペニアになる「身体活動性サルコペニア」、悪性腫瘍や内分泌疾患が原因で全身の筋肉量が低下する「疾患性サルコペニア」、胃腸疾患などにより栄養の吸収が阻害されます。

また他の疾患の治療による薬物の使用で食欲不振が起き筋肉の再生を促すことができず結果筋肉量が低下する場合、特にタンパク質摂取不足などが原因で起こる「栄養性サルコペニア」があります。

このようにサルコペニアの原因は様々で、二次性サルコペニアは他の理由と相互に関係することも珍しくありません。また、原発性サルコペニアは高齢者(65歳以上)のサルコペニアですが、二次性サルコペニアは疾患などに由来するため年代を問わず発症をすることがありますので、運動できない期間が長い場合などは警戒しておく必要があります。

サルコペニア肥満は生活習慣病も起こす?

サルコペニア肥満は生活習慣病の原因となり、その生活習慣病が原因でサルコペニア肥満が加速するといった悪循環のきっかけになることが珍しくありません。まず、筋肉量が低下すると、筋肉の力そのものが低下し始めます。

そのため、日常生活の基本動作でもエネルギーを効率よく使うことができず、疲れやすくなったり、運動するのがおっくうになりやすくなります。結果、筋肉量や筋力はますます減少傾向に向かい、代わりに体内で脂肪量が増える傾向が強くなります。

皮下脂肪はもちろんのこと血液中の中性脂肪も高くなり、その結果様々な病気の原因となりうることが知られています。

ぜい肉はあるものの健康体の人と比較すると、症状の改善やダイエットの効果を得ることも容易ではありませんので、高脂血症や高中性脂肪が進む前にサルコペニア肥満を発見し、症状の改善を試みることで生活習慣病の予防にもつながりますので、筋肉量が低下した、と感じた場合には、早めに対策を練ることが大切です。

また、老齢でサルコペニアを放置していると歩行障害や嚥下障害にもつながり、介護を必要とする可能性が高まるため、若いうちからサルコペニア肥満にならないように注意することが大切です。

サルコペニア肥満は冷え性の原因にもなるの?

女性の大敵である冷え性。実はサルコペニアやサルコペニア肥満が関連しているかもしれません。サルコペニアにより筋肉量や筋力が低下すると、筋肉の動きが阻害されるため体の中に熱を貯めておくことができなかったり、脂肪を燃やして体温を調整することが困難になります。

その結果冷え性となり、体のあらゆる部位の運動能力に支障を来すことが多くなります。また冷え性になると、胃弱などの内臓疾患にもつながりやすく、体調不良に陥り運動をすることがおっくうになる、といった悪循環の原因にもなりかねません。

もちろん、必ずしもサルコペニア肥満=冷え性ではありませんが、冷え性とサルコペニア肥満が一度関連づいてしまうとその悪循環を断ち切るのは容易ではありません。

なんだか急に疲れやすくなった、手足が冷えるようになった、体調不良になりやすくなった、体重はそれほど増えていないのにむくみやすく服がきつくなってきたと感じた場合は、加齢や過労のせいだけにするのではなく、早めにサルコペニアやサルコペニア肥満についてもチェックすることが望ましいでしょう。

特に冷え性の人はむくみやすい人が多いので、むくみと冷え性、そしてサルコペニアの関連も視野に入れることが重要です。

サルコペニア肥満とメタボ肥満、どっちが怖い?

サルコペニア肥満よりも前から注目されている「メタボリックシンドローム」ですが、メタボリックシンドローム型肥満(以下メタボ肥満)は、主に皮下脂肪よりも内臓脂肪の高いパターンが多いのが特徴です。

そのため、一見すると少しぽっちゃりしただけでも腹囲が大きくなってきたなどの身体的変化に比較的気づきやすいので、日ごろから気をつけていればメタボ肥満は防げる可能性が高いといえます。

一方サルコペニア肥満には若い頃から体重の変化がほとんどないにもかかわらず、身長・体重・体脂肪のバランスを考えるとかなりの肥満症といえる人が含まれています。そのため、気づいたときには肥満が進行しているケースも多くあります。

もちろん肥満が行き過ぎると様々な健康障害を起こす点についてはどちらも一緒です。しかしメタボ肥満が進んだ場合は、内臓疾患に陥りやすいのですが、サルコペニア肥満が進行すると、筋肉量の低下によりさらに活動範囲が狭まり、内臓疾患に陥らなくとも介護の可能性が高まる可能性があります。

それゆえに、見た感じで肥満が進んでいることに気がつくことは難しく、かつ加齢を伴って太り始める「サルコペニア肥満」は従来の「メタボ肥満」とともに注目しなければならない肥満といえるでしょう。

サルコペニア肥満と糖尿病の関係とは

2015年の日本糖尿病学会では、高齢者の糖尿病患者における約3割がサルコペニアであるとの発表がありました。もともと高齢者の約10%にサルコペニアの症状が出ると考えられていますが、糖尿病患者に限定すると割合がさらに高くなります。

また糖尿病患者のサルコペニアのうち、サルコペニア肥満も伴っている人が1割との報告もあります。

糖尿病にはもともとインスリンを作り出す細胞の働きが欠損もしくは阻害されている1型糖尿病と、運動不足や生活習慣が起因となり症状が進む2型糖尿病があります。そして、サルコペニアもしくはサルコペニア肥満の関与が考えられる糖尿病の大半が2型糖尿病と考えられています。

裏を返せば、2型糖尿病の患者には運動を促し、インスリンの分泌を促すことで症状の改善が見られるケースも多いのが特徴です。そのため若年者や中年層の糖尿病患者の多くがサルコペニアの症状を進行させないように意識した生活を医師の指導の下に行うことで、AOL(日常生活動作)も一定基準を保津ことにもつながると考えられています。

サルコペニア肥満の人の特徴とは?

サルコペニア肥満の人の体に起きる筋肉量の低下・筋力の低下にはどのような特徴があるのでしょうか。まず全身の筋肉に筋肉量低下は及びますが、その中でも低下しやすい部位はあります。例えば本来は筋肉量の多い体幹、特に下半身につながる部分や太ももの筋肉量が低下していることがあげられます。

そのため、体重やBMI(ボディマス指数:体重・体格の比率により肥満度を図るもの)は標準の範囲であってもMRIなどの医療機器により計測すると若い頃は筋肉であった箇所に脂肪がつき、服を脱いだときのイメージが若い頃よりふくよかになっているイメージの人が多いといえます。

しかし、サルコペニアの原因が加齢のみ、もしくは加齢が一番の原因であった場合、そもそもの基礎代謝も下がってきているため、単にサルコペニアが直接関与しなくとも太って見えたりぜい肉がたるんで見えるケースとの区別がつきにくいこともあります。

また、女性は特にむくみやすいため1か月単位で見た目のイメージが繰り返し変化することも多く、むくみかな?と放置しているうちにサルコペニア肥満になっていることも少なくありません。

そのため、サルコペニアの初期段階は気づきにくく、気づいたら症状が進行していることも多いので体重は変わらないのに着衣がきつくなってきた場合は特に注意を払う必要があります。

サルコペニア肥満を医療機関で診断する方法とは

サルコペニアやサルコペニア肥満は一旦進行してしまうと症状の改善には本人の努力が必要になるため、普段の心がけ次第で回復することができる早期発見をすることが大切です。では、医療機関でMRIなどの医療器具を使用する以外に、どのような方法で診断するのでしょうか。

まずは筋肉全体の動きを見るために、歩行速度を測定します。もちろん身長差などもありますのであくまで目安ですが、一般的な成人は秒速1.25m、高齢者は1mで歩くことができます。この基準をもとに、歩行速度を測定し、0.8m以下の人はサルコペニアの疑いがあると考えられます。

イメージとしては片側2車線の横断歩道を青信号のうちに渡り切ることができるかどうか、といった形が分かりやすいでしょう。また、上半身の筋力の測定として握力を測定します。握力の基準値は男性26㎏、女性18㎏未満の場合はサルコペニアが疑われます。

歩行速度の測定、握力のいずれか、もしくはその両方が基準値より低かった場合は筋肉量の測定も行います。確定診断である筋肉量の測定は、エックス線を用いる「DXA(二重エックス線吸収法)」で行います。このとき、男性7.0(単位=kg/平方メートル)、女性5.4(同単位)の基準値未満なら、サルコペニアとなります。

サルコペニア肥満は自分で診断できる?

医療機関を受診する前に自分である程度の診断をすることは可能なのでしょうか。標準的な体組成計をもしお持ちであれば、受診をするかの目安を知ることはできます。まずはBMI(ボディマス指数)を計算します。BMI= 体重kg ÷ (身長m)2、の計算式で求められます。

例えば、体重50kg,身長160センチの方は、50÷(1.6)2=19.53125となり、22が最も病気に罹患しにくく、18以下は低体重、25以上は肥満、とされています。その上で、体組成計の筋肉量の数値が22%以下になっている場合は、サルコペニアによる肥満が疑われます。

BMI値が正常値であっても、筋肉量が著しく低下している場合は、サルコペニアが疑われるので、肥満にならないように留意する必要があります。体組成計は数千円~1万円台で購入できますので、1台は用意してもよいでしょう。

また「階段を使うのがものすごく疲れる」「椅子に腰かけて手の動きを使わず片足で立ち上がる」「片足立ちで靴下を履く」「片足立ちを60秒以上続ける」といった、主に下半身の筋肉を必要とする日常の動作が難しくなってきた場合にもサルコペニアが疑われます。

サルコペニアやサルコペニア肥満の検査については難しい装置が必要なものではないため、比較的大きなクリニックでも受診が可能なケースが多く受診しやすいとされています。気になる症状があれば、かかりつけ医に相談してみましょう。

サルコペニア肥満を予防するには下半身の健康がカギ

ここまではサルコペニアについての基本について触れてきましたが、ここからはサルコペニアの予防方法についても触れていきましょう。

サルコペニアの自己診断ポイントとして「片足立ち」で何かをする点がいくつかあげられていますが足や足につながる体幹のトレーニングを行うことで、全身の筋肉量を維持し、代謝をあげることが可能と考えられています。

もちろん、最終的には全身の筋肉がバランスよく保たれているのが理想ですが、長時間運動をする時間がなかなか取れない、というのであれば、下半身の筋力トレーニングを中心に取り入れてみるとよいでしょう。

例えば、椅子に座って仕事をするタイプの人は、自然と楽な姿勢を取っている可能性が高いのですが、この椅子に座っているときの姿勢に気を配るだけでも十分な効果が期待できます。

猫背にならない、膝を閉じて座る、パソコンやデスク周りの備品の高さを、体に無理がない高さに調整する、といった行為の積み重ねで、自然と筋力トレーニングにつながります。

休憩中も背もたれに深くよしかからない、自宅で休息している間もベッドにごろ寝ではなくソファーに腰かけるようにするといった日常動作を見直すだけでも、太ももや腹筋背筋を鍛えられますので、まずは身近な動作の積み重ねから始めてみましょう。

サルコペニア肥満の解消にレジスタンス運動

サルコペニア肥満の解消には、運動が不可欠ですが、どんな運動が向いているのでしょうか。サルコペニア肥満の解消に一番効果的だと考えられているのは、「レジスタンス運動」です。例えば、スクワットや腹筋背筋といった、筋肉に負荷をかけながら行う反復運動です。

筋トレに近いものがありますが、筋肉を再構築するのが目的であり、筋力を高め、痩せやすい体を作るのには必須の運動といえます。また○キロ歩く、○時間泳ぐといった運動と比較し、毎日少しずつ積み重ねていくことで筋肉を動かす基礎力を高めるので、仕事の休憩中などの空き時間にトレーニングできるのがポイントです。

サルコペニア肥満解消としてのスクワットは体育会系のような深くしゃがみ込むタイプのものである必要はありません。特に高齢者の場合サルコペニアの原因に骨や関節の障害が潜んでいる可能性もあるため無理に関節を動かすことはあまりおススメできません。

そのため、まずは椅子に座り手を前に伸ばし、そのまま足の力だけで立ち上がり、ゆっくり座る、といった動きを繰り返すだけでも太ももや腹部を刺激しましょう。

反動をつけて立ち上がったり勢いよく座ると転倒の可能性や臀部の打撲などの原因になりますので、あくまでゆっくりストレッチする延長のトレーニングとして取り入れましょう。また、椅子は少し高めの椅子に姿勢よく浅く腰かけると、必要な筋肉は刺激されるものの立ち上がりやすくなります。

上半身・体幹の筋力アップにはトレーニングゴム

筋肉量が下がった状態では自分自身の筋肉の力のみでトレーニングをするのはとても大変なことです。そのため、1.5~2mほどのトレーニング用ゴムバンドを使用してトレーニングするのが効果的です。

トレーニング用ゴムバンドはリハビリ施設やスポーツショップなどで2,000円程度から購入できます。もちろん自宅にあるバスタオルなどでも代用はできますが、伸縮性に欠けますので、よりその人の体力に合わせてトレーニングをするのであればやはり専用のゴムバンドを用意するのがおススメです。

トレーニング方法としては、ゴムバンドを肩幅程度に広げ、手先を上にあげたのち、耳と肩、手先の位置を一直線に保ちながら横に傾け、左右のわき腹を伸ばす方法や、椅子の背もたれにゴムバンドをかけ、腰かけて肩の高さで持ちゆっくりと前屈する方法などは自宅での入浴後のリラックスタイムに取り入れたりすることが可能でしょう。

またゴムバンドを使用したベンチプレスとしてゴムバンドを背中からわきの下に通し、ゆっくり前方に引くことで肩から腕にかけてトレーニングすることもできます。いずれの方法も無理に立って行わず、適宜椅子を使用し、少しずつ負荷をあげることが重要です。

トレーニングが必要だからと急にジムなどに通い始めるとサルコペニア肥満の人は骨や関節を痛めやすいため、注意が必要です。

サルコペニア肥満の解消には有酸素運動も効果的

筋肉量がある程度回復したら今度は筋力の回復に努める必要があります。レジスタンス運動で基礎的な運動能力が回復してもレジスタンス運動だけではいずれ緩やかにサルコペニア肥満の状態へ戻る可能性もありうるからです。

そんなときはやはりダイエットの味方である「有酸素運動」を効率よく取り入れることが必要になります。サルコペニア肥満になっているときは筋力自体も低下していますので、近所のウォーキングや上り階段の積極的使用など今すぐ始められ毎日持続できることから始めましょう。

また、サルコペニア肥満になると、糖尿病が発症しやすくなるというのは前述の通りですが、サルコペニア自体、肥満によりインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」で進行する傾向にあります。

肥満とサルコペニアは密接な関係にあるので、症状が進行してしまう前にサルコペニアを抑制することで、糖尿病につながる肥満を解消できると期待できます。

有酸素運動に慣れてきたら、軽いウェイトを手足につけてウォーキングするとかウォーキングする時間を増やす、階段昇降を1階分だけ行ってきたのを2階分まで実行するなど、少しずつ負荷をつけるようにしてみましょう。

サルコペニアになり運動がおっくうだったものが、体が動く実感を得ることで、だんだん運動することが楽しくなってくるはずですよ。

運動が難しくてもストレッチはかかさずに

仕事が忙しい、体が痛くて、内臓疾患が辛くて…となかなか運動する時間が取れないという声もよく耳にしますが、本当に安静にしなければならない場合を除き、できるだけ筋肉を動かし、柔軟性を身につけることが大切です。

どんなに忙しくても、家でご飯を食べてスマホやテレビを見る時間はあるのではないでしょうか。そんなときに床に座り、片足先をお尻の下にしまい、太もものストレッチを行ったりゆっくり開脚運動をするだけでも今まで運動をしてこなかった人にとっては十分な効果が期待できます。

特に筋肉量の下がっている人は、筋肉の柔軟性も弱く、簡単なことで転倒したりしやすいのが特徴です。この柔軟性を少しでも取り戻すことによってサルコペニアおよびサルコペニア肥満の症状が軽くなるのです。

特に背中の筋肉が凝り固まっていると上半身の運動能力が低下→筋肉が維持できないという悪循環に、太ももの場合は下半身全体の肥満につながりやすいので、肩周りと太ももだけでも毎日ストレッチをするとよいでしょう。

朝は一分でも眠っていたい、という人が多いので、睡眠30分前や入浴後に毎日時間を見つけてストレッチをするとともに、休憩時間やトイレタイムに体を動かす習慣をつけるのがおススメです。

サルコペニア肥満の解消と一時的な体重の増加の関係

筋肉量も一定量キープしているものの太ってしまったといった一般的な肥満では、過剰なカロリー摂取による肥満であることが多く、運動量に見合った食事量に制限するダイエットをすると次第に体重が減少する傾向にあります。

一方、サルコペニア肥満と診断された場合、食生活はごく標準的だったとしても筋肉量が低下し太った状態ですので、まずは筋肉量を増やすことでぜい肉を燃やすことを意識しなければならないため、食事制限よりも運動を重視したダイエットを心がけなければいけません。

筋肉は脂肪と比較し重いのが一般的ですので、運動を重視し筋肉をつけて痩せようとすると、脂肪が減り始める前に、一時的に体重が増えることが多くあります。そのため、もともと標準体重~軽肥満でしかなかったのにダイエットのせいでさらに太ったとダイエット法を変えてしまう人も少なくありません。

しかし、サルコペニア肥満の解消には、筋肉の増強が不可欠ですので、食事制限中心で運動なしのダイエットはふさわしくありません。あくまでサルコペニア肥満は筋肉をつけなければ再びリバウンドしやすいという点を忘れないようにしましょう。

筋肉を作る、高タンパク質食を心がけよう

運動を重視しながらダイエットをするためには筋肉の材料となる栄養素を多く摂取することが重要です。特に、二次性サルコペニアの中で注目したい、「栄養素サルコペニア」になる人の特徴として、過剰なダイエットとリバウンドを繰り返すことや、偏った食生活によるタンパク質摂取量の著しい低下が認められます。

運動をある程度行っているつもりでも、筋肉の材料となる栄養素が不足していれば、いずれ筋肉はやせ細ってします。そのため、急に疲れやすくなった、急に服がきついような気がする、といったサルコペニアによる肥満様相などの弊害が起きやすいと考えられています。

もしサルコペニアの開始が疑われる30代後半~40代であれば、高タンパク質の食生活に少しずつ慣れていくことが肝心です。高タンパク質の食材として、牛乳や大豆、赤身魚(マグロなど)、鶏肉などがありますが、ビタミンBと一緒に摂るとさらに摂取効果が高まります。

ビタミンBはゴマや豚肉などに含まれています。ビタミンB群は水溶性で水分に溶けやすいため、スープなどのビタミンの溶けた水分も一緒に摂れる調理方法がおススメです。

まとめ

サルコペニア肥満は高齢者だけでなく30代後半~40代から始まってくるケースが多いのが実情です。長年かけて少しずつ進むサルコペニア肥満にならないよう、いい筋肉を保つ生活を心がけましょう。

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