女子に多いって本当!? 飲み会に行けない「会食恐怖症」って何?

女子に多いって本当!? 飲み会に行けない「会食恐怖症」って何?

ゆうきゆう先生に聞いてみた!
みなさんは「会食恐怖症」という言葉をご存知でしょうか。人前で食事をするのが苦手、飲み会に参加できない、緊張で手が震えたり吐き気をもよおしたりしてしまう……。近年、そういった症状を抱える女性が増えてきているそうです。

会食恐怖症の原因や対処法っていったい何なのでしょう? 上野や池袋、新宿、渋谷など都内に6つの医院を構えるゆうメンタルクリニック総院長・ゆうきゆう先生に詳しいお話をうかがってきました。

■会食恐怖症って?

──人前で食事をすることに不安や恐怖を感じてしまう会食恐怖症ですが、これは医学的には病気にあたるのでしょうか?

「会食恐怖症は社会不安障害で見られる症状のひとつ、『社交不安』に該当すると考えられるので、精神医学的にも正式な病気として扱われます」

──会食恐怖症を発症する原因を教えてください。

「主な原因として考えられるのは、過去に他人と食事をした際に何らかの指摘を受けてショックを受けたり恥ずかしい思いをしたりした経験から、食事をすることやそれを他人に見られることに抵抗を感じるといったものです」

──その症状の程度は、食事のシチュエーションによっても違いはあるのでしょうか?

「原因となる経験が存在するため、その経験に近い状況やそれを連想させる相手・食事内容であるほどその抵抗は強く、食事をする相手や場所、食事の内容によって症状にバラつきがみられることも少なくありません。

たとえば子どものころ、父親に『残さず食べるように』と言われ、怒られたくない気持ちから食べた結果嘔吐してしまった経験が原因の場合、『とにかく他人と食事するのが怖い』と感じる人もいれば、目上の人・年上の男性・男性全般との食事にだけ抵抗を感じる人もいます。

同じ経験をしてもどう受け止めるかは人によって違うので、本人にとって『どんなことがショックだったのか』『そのショックと結びつけている条件は何か』で、症状が出るきっかけが変わってくるのです」

■会食恐怖症になりやすいタイプは?

──どんな方が発症しやすいのでしょうか?

「性格としては『他人から言われたことを真面目に受け止めてしまいやすい人』が多いでしょう。 また、人間関係を良好にしたい気持ちが強く、そのために自分に制限を課していたり『自分が我慢すれば……』と譲ってしまったりする人も多くみられます。

先に挙げた例で言えば、父親に食べることを強制されても断ったり抵抗したりすれば良いのですが、父親を怒らせたくない・逆らってはいけない・相手の気分を害さないために従わなければいけない、といった自身を抑圧する気持ちを働かせて、ショックな経験をしてしまいます。

その結果を受けて『次はちゃんと断ろう』と対策できれば、強い恐怖を抱いたり身体症状が出るほどに思いつめられたりすることはないでしょう。しかし会食恐怖症になってしまう人は、そもそも『自分の対応によって相手の気分を害すること』にも恐怖を感じるために、『どちらにしても自分は辛い状況になる』という逃げ場のない気持ちを抱えやすいのです」

──女性のほうが多いと言われていますが、その理由をお聞かせください。

「女性の方が他人の気持ちに敏感で『場を取り持とうとしてしまう人』が多いからではないでしょうか。

また、女性は子どものころから『女の子なんだから、きれいに食べなさい』『お行儀が悪い』というように、食事のマナーを特に厳しくしつけられる傾向にあります。 子どものころは小食だった人も少なくないですし、食べるスピードや食べ方について指摘を受ける機会は相当数あったのではないでしょうか。

ただ、『単にしつけが厳しかった』ということが原因ではありません。 『汚い』『みっともない』『気持ち悪い』など、本人にとってショックな言葉を使われたり、繰り返し嫌な気持ちになる経験を重ねたりすることで、他人と食事をすることに不安感を覚え、発症しやすくなるのです」

■会食恐怖症を克服するために

──会食恐怖症は治すことができるのでしょうか?

「はい、会食恐怖症は治療可能な症状です。治療の必要性については本人の深刻度によりますが、適切な治療を受けるためには専門のクリニックに来院してほしいと思います。

自己流で無理やり症状を抑え込もうとするとかえって症状が重くなってしまうこともあるので、辛さを感じるようであれば早い段階で専門機関に相談してみましょう」

──自分で会食恐怖症を克服することはできますか?

「症状がそれほど重くない場合であれば、まずは『自分を受け入れてくれる人・親身になってくれる人に相談してみる』ことです。 他人に話すことで気持ちが軽くなりますし、会食恐怖症を抱えている自分を受け止めてもらうことで安心感を得やすくなるためです。

また、そういった人に付き合ってもらって外食をしたり、その人を含めた会食に出かけたりして、『大丈夫な経験』を積んでいきましょう。 無理をするのは良くありませんが、少しずつ新しい経験を積むことで『大丈夫な範囲』は確実に広がり、自信や安心に繋がっていきます。

抵抗を感じる条件は複数ある場合も多いので、その内の不安が弱いものから徐々に慣らしていくと、ステップアップ方式に『自分が成長している』という実感を得られます。ただし自分では難しいと感じた時には、なるべく早めに専門機関へ相談してくださいね」

■自分を責めないで

──最後に、会食恐怖症を経験している女性へアドバイスをお願いします。

「何よりも伝えたいのは、『会食恐怖症である自分を責めないでほしい』ということです。

会食恐怖症は、他人と食事をできない・外食できない、という状況以上に、食事のお誘いを断ることで相手に『付き合いが悪い』『ワガママ』と受け止められてしまい、人間関係が上手くいかなくなったり自己嫌悪になったりすることを辛く感じやすいものです。

他人と食事することが怖いというのは、なかなか理解が得られにくいこと。本人も『こんなことで』と自分を責めてしまいがちなのですが、それで症状は改善しませんし、ただただ気分が重くなるばかりです。

そもそも会食恐怖症になったのは、あなたが深く傷ついた経験をしたことがあるから。 あなたの症状は、『また同じように辛い気持ちにならないように心が防衛しようとしている』ために起きていることです。 ただ少しそれが過剰になってしまって、強い恐怖心や不安感が現れているだけなのです。 そんな自分を責めても、余計なプレッシャーになったり自己嫌悪に陥ったりするばかりで何ひとつ良いことはありません。

会食恐怖症に限らず、不安や恐怖を感じている自分にはできるだけ、『大丈夫だよ』と言ってあげてください。 不安を感じてしまう今の自分を少し受け入れてみると、不安感が和らぐことも多いんですよ」


なかなか人に理解してもらいにくい会食恐怖症。「そんな自分を責めないで」と、ゆうき先生は話してくれました。症状の程度によって克服するのは根気がいるかもしれませんが、最初は信頼できる相手と一緒に食事をするなどして、徐々に会食への不安や恐怖を取り除いていけたら良いですね。

(伊東ししゃも+ノオト)

■取材協力

ゆうきゆう 精神科医 著書多数。
ゆうメンタルクリニック総院長(上野院 03-6663-8813 上野駅0分)。(池袋東口院 03-5944-8883 池袋駅東口1分)。(新宿院 03-3342-6777  新宿駅0分)。(渋谷院 03-5459-8885 渋谷駅0分)。(秋葉原院 03-3863-8882 秋葉原駅0分)。(池袋西口院 03-5944-9995 池袋駅西口0分)。(ゆうスキンクリニック池袋西口院 03-6914-0003 池袋駅西口0分)  
静かで癒される都会のオアシスとして評判が高い。

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