せっかくの色白が! 日本人が理解できないパリジャンが肌を焼く理由

せっかくの色白が! 日本人が理解できないパリジャンが肌を焼く理由

【海外美容レポートvol.1】
パリに住む筆者が、海外の美容事情についてお伝えします。

フランス人の肌は、男女関わらず、みな陶器のように真っ白。パリジェンヌたちの間で時代を問わず人気な真っ赤なルージュだって、あの白い肌だから映えるというもの。日焼け嫌いの私たち日本人にしてみれば、うらやましいと思えるものです。

ところが実際フランスに住んでみると、フランス人たちにとって色白は「不健康の印」として忌避され、「太陽に当たってこんがり焼ける」ことの方が、美のステイタスとして君臨していることを知りました。

その理由の一つは、意外にもパリは日本の北海道と緯度が近く、年間を通して日照時間が少ないので、みな日光が恋しくてたまらないからというもの。

特に日光が不足する冬なんて、向かい風が寒かろうとわずかでも日光を浴びようと、パリのカフェテラスにはパリジャンが陣取っている光景が見られます。

また、ちゃんとした生物学的な理由もあります。人は日光を浴びることで体内でビタミンDを生成することができます。日照時間の少ないフランスでは、人々はビタミンDを作るために、太陽を求めてしまうのだそうです。ちなみに、日本人は日本食で自然とビタミンDを摂取することができているから、わざわざ日に当たらなくても大丈夫なようです。

こうした動物の本能として日光を求める側面もあるフランス人ですが、夏になると、日焼けしまくるのが「美のステイタス」としても定着しています。
夏のバカンス時期になると、パリジャンたちはこぞって太陽が照る場所を探し求め、南国のビーチでこんがり焼きまくるのです。南国ビーチに行くお金のないパリジャンたちは、セーヌ川のほとりや公園でビキニ姿になって寝そべり、全身日焼けにいそしむ姿も見られます。

バカンスが終わってパリに戻ると、こんがり焼けた顔と身体を自慢げに見せつけるのが恒例です。この時期になると、パリの街中だけでなく、テレビに出てくる芸能人も、ニュースキャスターも、歌手たちもみ〜んな真っ黒こげ。あまりにこぞって真っ黒になるフランス人たちを見て笑ってしまうほどです。

フランス人たちにとって日焼けとは、ビタミンDを生成する健康のためだけでなく(実際は、日本人のようにすぐ焼けずに赤くなる人や、皮膚がんになる人もいるのが現状)、「南の国で太陽とビーチを楽しんだのよ!」という自慢の種になる重要なものなのです。

日焼けすることで肌の乾燥、シミは気にならないの? と思うでしょう。ところが、フランス人は日焼けしたことで傷んだ肌の質よりも、こんがり焼けた肌の方が何より美しいと信じています。

長年、焼き続けてきたボロボロの肌を持つ60代、70代、いや、それ以上のお年のマダムたちが、夏のパリのカフェテラスでデコルテまで大公開されている姿を見るのは珍しくありません。

彼女たちの「まだまだ今年も! いや、来年も焼きたい! そして、私の肌を堂々と見せたい!」そう言わんばかりの貫禄と、日本では見られない光景を横目に「パリの風物詩だな〜」と思いながら、ついつい観察がやめられないのであります。

(中村綾花+ノオト)

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