専門家に聞いた! 今、知っておきたい出産方法の種類

専門家に聞いた! 今、知っておきたい出産方法の種類

いつか来る時のために予習しよう
いつかは産みたいと思っていても、なかなか情報に触れる機会が少ないのが「出産」の話題。いざという時に備えて、今のうちに知識を付けておきましょう。

■3つの施設がある

出産を行える施設は大きく分けると病院・診療所、助産院、周産期母子医療センターの3つ。今回は赤ちゃんが生まれる時=分娩時の違いについて、助産院「一般社団法人アクア・バースハウス」院長で助産師の山村節子先生にお話を伺いました。

■病院・診療所での分娩とは?

「通常の分娩であれば、産婦人科医師の下、胎児心拍モニターを装着して、助産師や看護師が分娩まで付き沿います。最終的には分娩台で医師が立ち会い、分娩を行ないます。病院によってはパートナーの立ち会い出産ができたり、無痛分娩を取り扱っていたりしているところもあります」

分娩台とは、仰向けで両脚を広げるスタイルをキープできるベッドのこと。特に問題がなければ、陣痛が規則的になってから病院へ行き、赤ちゃんが降りてくるのを陣痛室で過ごし、最後は分娩台で出産するのが一般的。それ以外にも「LDR」という陣痛を待つための部屋と出産できる部屋が一緒で、家族によるサポートが可能な病院など、さまざまなタイプがあります。
「また、陣痛が弱かったり、破水して時間が経ってしまったりした場合には、陣痛促進剤が使用されます。母子どちらかに異常の兆候があれば赤ちゃんを引っ張る吸引分娩や、緊急帝王切開が行われます。分娩後の異常な出血に対して、母体に点滴をして子宮収縮剤が投与されることも。早期産など未熟児が生まれる場合は新生児科医が立ち会い、赤ちゃんの様子を集中して診ることができるNICU(新生児集中治療室)に入院することもあります」

設備によって扱える医療行為は異なりますが、必要に応じて医師による医療行為を迅速に行うことができます。

■助産院での分娩とは?

「助産院とは、妊娠中より健診し、助産師立ち会いの下で分娩を行う施設です。多くの助産院で取り入れられているのが、アクティブバースという考え方です。産む人の本能に従う分娩方法で、分娩台は使いません。四つん這いになったり、パートナーや紐に掴まったりなど、その人がその時に楽な姿勢で出産することができます。何か問題が起きれば、早めに産科医のいる病院へ搬送され、必要な医療処置が取られます」

立ち会いだけでなく、家族や親族にも助けてもらいながら出産できることにより絆が深まるんだとか。出産を家族共通の体験とする意味でも大事なことなのですね。ところで、水中出産という言葉もよく耳にするのですが……?

「水中出産とは、助産師立ち会いの下、専用プールに入って分娩を行う方法です。お湯の浮力により自由に体位を変えられ、陣痛を軽減する効果があります。水中で産むことだけが目的ではなく、陣痛を緩和するためにお湯に浸かることもあります。『気持ち良い』『楽だった』といった感想が多いですね。ただし、破水していたり、感染症があったりする場合はできません」

辛そうな陣痛の感想に「気持ち良い」が入るなんて! 入浴時のリラックスした感じをイメージしたら良いのでしょうか。助産院での分娩は本人の辛さを少しでも減らそうという印象。

■周産期母子医療センターでの分娩とは

「周産期母子医療センターとは周産期(出産の前後の時期)に係る高度な医療を対象とした医療施設です。産科と新生児科の両方が組み合わされています。

MFICU(妊婦集中治療室)には産科医師、NICU(新生児集中治療室)には新生児科医が常駐し、お母さんや赤ちゃんに何かあった場合に24時間体制で対応できる病院です。より高度な医療施設とスタッフで、近隣の病産院などで扱えない病気合併の妊産婦や新生児などの緊急搬送も受け入れています」

イメージは2015年にTBS系で放映された医療ドラマ「コウノドリ」の舞台となった病院。いろいろな分野の医師と助産師が協力して出産に臨みます。通常の分娩台もありますが、必要に応じて帝王切開などの医療処置が行われることもあります。国がバックアップし、各都道府県に設置されているので、どの地域でも安心して出産に臨むことができますね。

■20代女子が今、しておくべきこと

「まずは、日常生活習慣の見直しをしましょう。早寝早起きを心がけて下さい。食事は、将来の自分の体だけではなく赤ちゃんの体も作ります。バランスの良い和食をできる限り自分で作る努力をしましょう。また、スポーツで適度に身体を動かすことも重要! そして、過度のストレスは健康に影響するので、働き過ぎや睡眠不足は禁物。『まだ先の妊娠・出産・子育てなんて考えられない』と思わずに、今から自分の心と体を大切にしてくださいね」

つわりなどの体調不良が続く妊娠中は、調べごとをするのはなかなか大変。また、産院が減少している昨今、自分にあった出産方法について今のうちから情報収集しましょう。「まだまだ出産なんて先の話〜」なんて考えている人も、今から少しずつ知識を貯めておくと、いざという時に役に立ちますよ。

(田中いつき+ノオト)

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