津軽弁アイドル「りんご娘」活躍中☆ 地方で夢を叶える方法

津軽弁アイドル「りんご娘」活躍中☆ 地方で夢を叶える方法

都会と地方の立場が逆転!?
本当にやりたいことに向かって突き進んでいる人って、かっこいいですよね。でも、志や才能があっても、なかなかチャンスを掴めなかったり、スクールや養成学校に通うお金がないからって諦めてしまったりする人は少なくないと思います。
青森県弘前市には、そんな夢見る若者を応援する、無償のアクターズスクールが存在します。2011年にTBS系列「さんまのスーパーからくりTV」の「芸能人かえうた王決定戦」で新人賞を受賞した、青森県を代表するご当地アイドル「りんご娘」も、このスクールから生まれたんですよ。

でも、どうして地方に芸能事務所? このボランティア集団を立ち上げ、りんご娘の所属事務所「リンゴミュージック」の代表でもある樋川新一さんにお話をうかがってきました!
──もともとは東京で自動車会社に勤めていたという樋川さん。なぜ青森県で「弘前アクターズスクールプロジェクト」を立ち上げたのですか?

「27歳のころに弘前市にある実家の自動車販売を継ぐためにUターンしてきて、地方の衰退にショックを受けたんです。繁華街も過疎化が進み、地元の若い人たちは、『こんなところで夢なんか叶えられない』と言ってどんどん外に出ていく状況で。だったら自分たちで面白いことをやってやろうと思ったのがきっかけですね」

──そもそも地域の活性化を目的とした活動だったんですね。結成時に苦労したことはありますか?

「お金も経験もノウハウもないゼロからのスタートで、この業界に人脈もなかったので、数人の友人に声をかけて人づてに動くしかありませんでした。ボランティア集団なので、無償で協力してくれる人を探すのも大変でしたよ」

■「田舎らしい」がカッコイイ

──ボランティアから生まれ、今や青森県を代表するアイドルユニットとなった「りんご娘」。誕生にはどのような背景が?

「まず波及効果の高いエンターテインメントの業界で、この地域を発信できる音楽をプロデュースしようと思ったんです。その際、幅広い世代から愛されるアイドルを生み出そうと考え、りんご娘が生まれました。」

──コンセプト「Cool&country」にはどのような思いが込められているんですか?

「田舎をネガティブに捉えるのではなく、むしろ田舎らしい素朴さがあるけど、見た目はカッコイイというギャップを売りにしています。地元には津軽弁を使うことに『田舎くさい』と抵抗を感じている若い人たちがいます。津軽弁が好きだと明言しているりんご娘の姿を見て、彼らが胸を張って津軽弁で話すようになってくれたらうれしいですね」

──りんご娘は「農業活性化アイドル」ともいわれていますが、彼女たちの活動はどのように地方活性化に結びついているのでしょうか?

「まず、PR活動を通して、後継者不足に悩まされている農業に人々の目を向けさせること。メンバー自身が農業に積極的に取り組むことで、農業の大変さや楽しさを伝えています。県内外を問わずに活躍するりんご娘の姿が農家さんをはじめとする県内の人たちの励みとなり、若い人たちの目標になればと考えています」

──活動を通して再発見した青森の魅力はありますか?

「青森には、やり遂げるまであきらめないという北国ならではの意志の強さを持った人たちが多いと感じています。津軽弁に『しなじい』という言葉があって、『根気強い』という意味なんですが、この言葉が青森県民の人柄をよく表していると思います。りんご娘がここまで全国的に愛されるようになったのは、『しなじく(根気強く)』継続した結果だと思っています」

■地方でも、お金がなくても夢を叶えられる世の中に

──芸能事務所「リンゴミュージック」の代表として苦労していることはどんなことですか?

「スクールではレッスン料をもらわずに運営しているため、さまざまな人の力を借りてなんとかやっている状態です。それでも、経済的な理由で夢を諦めてほしくないし、お金をもらってもすべての子を成功させてあげられるわけじゃないから、非営利主義を貫いています」

──活動の中で大切にしていることはどんなことですか?

「このスクールでは、アイドルに限らず、自分の夢の叶え方を教えています。実際、スクールに通う子たちは、美容師やグラフィックデザイナーなど、アイドル以外の夢を持っている子も多いんですよ。半年に一度、そんな各自の夢を叶えるために具体的に何をするか、目標設定用紙を使って一緒に考えています。人生を好転させられるような、『夢を叶えるスクール』であり続けたいですね」

──卒業生がさまざまな分野で活躍するようになるのが待ち遠しいです! 最後に、樋川さんご自身の夢を教えてください。

「都会と地方の立場を逆転させたいです。地方でも、お金がなくても夢を叶えられる世の中にしたいです。若い人が青森で夢を叶えられるように、今後も青森で新しい仕事をつくっていきたいと考えています。一番大切なのは、一歩踏み出す勇気。夢があるのなら、簡単に諦めずにまず何かしらのアクションを起こしてみることが重要です」

子どものころには「大きくなったら○○になりたい!」と夢を語っていても、大人になるにつれて、夢を諦めてしまう人も多いと思います。自分の心の声に耳を澄ませてみてください。忘れかけていた夢を思い出したら、どうせ無理だと諦める前に、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?

画像提供/リンゴミュージック

(千葉桃+ノオト)

※この記事は、青森県が実施する「20代を変える『生き方ナビ』事業」との協業により、県内の大学生が「ALICEY学生特派員」となり、青森で暮らすことの魅力を学生主体で情報発信するために作成された記事です。

関連記事