料理と毎日が楽しくなるハーブマジック♪ 料理家・若井めぐみさんのレシピの裏側 

料理と毎日が楽しくなるハーブマジック♪ 料理家・若井めぐみさんのレシピの裏側 

【人気ブロガーさんに聞くレシピの裏側Vol.3】
ハーブを普段の食生活に生かすためのレシピを提案している若井めぐみさん。ハーブなんてレベルが高い……というイメージもありますが、お話を伺うと、「えっ、こんな簡単でいいの?」というアイディアがいっぱい。ハーブを楽しく取り入れれば、あなたのテーブルと毎日が素敵に変わっちゃいます! 

■自然の中で覚えた植物と関わる喜び

――若井さんは「ハーブをめぐる料理家」として、全国のハーブ農家を訪問する旅をされています。日本でも各地でハーブは育てられているんですね。

「種類や育て方は農家さんによってさまざまです。山や自然の中で、その土地に合ったハーブを育てられている方や、ハーブを研究して、それを生かして水耕栽培をされている方、それからスーパーやお店、レストランの要望に合わせて多彩なハーブに挑戦されている方もいらっしゃいます。私もそうだったのですが、シェフは他のシェフが出していないもの、例えば日本では入手しづらいものや、新しいものを欲しがりますから。試行錯誤しながら取り組まれている農家さんはすごいです。ハーブの旬は春から夏が多いので、来年もその時期に集中してめぐる予定です。まだまだ日本でも伸びていく分野だと信じています」

――そもそもハーブに目覚めたきっかけはなんだったのですか?

「実は、決定的な瞬間というのはないんです。ただ、自然に導かれたのかなぁ。そもそも、中学生のころから香りのする草が好きだったんです。触って香りがするっておもしろいじゃないですか。不思議だなあって。私が育ったのは田舎。小さいころは、空き地で土管を使って秘密基地を作るなど、男の子と混ざって遊んでいました。そんな野生児ですから(笑)、花の蜜を吸っていたり、植物に触れたりする機会も多かったんです。その後、都会の一人暮らしで何か植物を育てたいなと思った時、育てたのはミントとか、食べられるものばかり(笑)」

――植物は見るより、食べる(笑)!

「ハーブ農家さんをめぐってもなんでも食べちゃいますねぇ……。あ、もちろん、山に生えているよくわからないものには手を出しませんよ(笑)」

■ハーブをめぐる好奇心いっぱいの冒険

――植物には強い興味を持っていた若井さんですが、本格的に料理とハーブの関係を探ろう、またその道に進もうと思ったのはどのようなタイミングだったのですか?

「仕事のスタートは、大阪の帝国ホテルのキッチンでした。田舎暮らしを続けてきたので、ホテルのキッチンはわからない食材だらけ。もちろんハーブも知らないものばかり。セルフィーユ、ディル、シブレットなど、今では当たり前に使っているようなものと初めて出会いました。それが楽しくて! 『これはなんですか?』『あれはなんですか?』って目を輝かせて聞いていました。新しいことを覚えたいと思っていたので、1分でも早く自分の仕事を終えて学ぼうとしていましたね」

「その後、東京のフレンチ・レストランで働いたのですが、お店が一軒家だったことを良いことに、勝手に『ハーブガーデン』なんて名付けて、お庭に植えちゃって。シェフもハーブには興味を持っていたので、一緒にハーブを使った料理をいろいろ試作もしました。それから、タイに出かけて現地の屋台などで、伝統的なハーブの使い方を勉強したり、いろいろ新しい香りを訪ね歩いたりして探求していましたね」
――ホテルのキッチンや忙しいレストランだと普通は自分の仕事だけでへとへとになってしまうと思うのですが……。ハーブに対する好奇心で動かされているようです。

「自分の知らないものを見てみたいという好奇心は強いですね。あとから、なんでこんな辛いことをしているんだろう……とは思いますけど(笑)」

――その後、日本ではまだそれほど結びついていなかった、お菓子とハーブの関係を探りにフランスでの研鑽の日々に入るのですね?

「パリのハーブやスパイスをふんだんに使ったお菓子やパンのお店で、もう一度しっかり勉強しました。ここではお料理の技術や発想はもちろん、つまり体に良い影響のあるハーブについても学べました。フランスのプロヴァンスあたりでは伝統的に薬効と料理は関係あるんです。ここでの経験をもとに、日本メディカルハーブ協会の『メディカルコーディネーター』という資格を取得しました。最近は私の料理教室にも、ハーブショップやハーブ農家の方もいらっしゃいます。こうした方々と、消化促進や抗菌作用などよく言われる効果だけではなく、もっと細かくハーブについて探っていきたいです」

■料理のバリエーションが増えれば食材のムダがなくなる

――若井さんが主宰する料理教室「ヴェール エクラタン」は、料理とハーブの交流の場でもあるようです。

「まず料理の前にハーブのお勉強をします。その後は、生徒さん同志が楽しく交流をしながら、いろんなハーブを使う実習です。以前は、ハーブを使ったちょっとおしゃれな料理を作っていこうというものでしたが、この秋からは、毎回ひとつのテーマハーブを決めて、もっと料理とハーブの関係を深めてもらうものにしました。テーマにするハーブはローズマリー、セージ、ディルなど、一般的に手に入るものです。日常で使えないと意味がないですから」

――ハーブは好きだけれど、特売でも安くないし、使い切れないかもしれない。そんな気持ちでなかなか普段のお料理に取り入れられない人も多い。そこで、若井さんはレシピサイト「Nadia」で、家庭料理とハーブの組み合わせを紹介しています。

「確かに、1パック使い切れないという声も多いんです。教室でもレシピでも、使える料理のバリエーションが増えれば増えるほどムダってなくなっていくことをお伝えしています。例えば、ローズマリーソルトの場合、ローズマリーは電子レンジで簡単に乾燥させられるので、それを生かせば香りが豊かなまま1カ月は余裕で保存できます。お肉の下味に使えばいつもの料理がそれだけで素敵になりますよ。また、セージバターにガーリックをまぶしてバゲットに塗れば、香り豊かなガーリックトーストのでき上がり。ハーブのいい香りがあるだけで、1ランクアップの手の込んだ料理に感じられるんです。料理のアクセントにもなりますし、レパートリーも増えます」

■ココロの余裕はハーブを使ったお料理で

――がんばる女性たちには、気軽に楽しく食事をしていただきたいので、ハーブはとっても有効ですね。「Nadia」で掲載している中で、この秋のオススメはありますか? 
「時短と節約、両方を考えると、『秋鮭とじゃがいものディル風味』。この時期、秋鮭は特売もあってリーズナブル。でも、レパートリーは決まってしまいがちです。そこでディル。ジャガイモは電子レンジで柔らかくしておいて、あとは一緒に炒めるだけです」
「それから、『ローズマリー風味の塩麹肉じゃが』。じゃがいもと肉とたまねぎって、ローズマリーと合わないわけがないんですよね。無理やりではなく、すっと家庭に取り入れられるものを提案しています」

――買って無駄にしないために、ハーブを使ったカンタン料理のバリエーションを持っておくのがポイントなんですね。それでは最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

「生活にハーブを取り入れることは、美容効果や抗酸化作用などを期待できますし、自分の健康を気遣うことにも繋がっていくと思うんです。ちょっとしたことからでいいと思います。例えば、毎日作るお弁当。ふたを開けた瞬間、そこにちょっとハーブがあると『私のお弁当ちょっと素敵かも』って思える。きれい、美しい、かわいい、いい香り、という情報ってホルモンにも良いんですよ。ハーブを気軽に取り入れて、輝ける女性になってほしいですね」

忙しい毎日の中に、ハーブというエッセンスが加わるだけで、心に余裕が生まれます。食事にかける時間を大事にすることで、自分自身を大事にしていくことに繋がるんですね。若井さんは、そんな毎日をちょっとだけ特別に変える魔法のレシピをたくさん紹介しています。ぜひNadiaから、お気に入りのハーブレシピを探してみてくださいね。

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