いつまでも「恋人」でいられる? 事実婚に胸キュンする理由

いつまでも「恋人」でいられる? 事実婚に胸キュンする理由

【世界婚活こぼれ話vol.17】
パリに住む筆者が、パリの恋愛文化についてお伝えします。

前回、フランスには「事実婚」と「結婚」という2つの制度があることを紹介しました。またこの2つの大きな違いは「結婚」の場合、別れの際の手続きの大変さにあることを知ってもらえたと思います。

別れるのに大変な「結婚」は、フランス人にとってある意味、日本人が思う以上にハードルが高いものなのかもしれません。

私の場合は旦那さんと話し合った結果、最善の方法が結婚だったのですが、本心をいうと事実婚に憧れのようなものがあります。

それは私が初めて事実婚カップルと話す機会があった時に強く思いました。
4歳と6歳の子どもを持った30代後半のカップルに出会った際、女性の方がパートナーのことを「私のマシェリよ」と紹介してくれたのでした。

「マシェリ」とは、日本語でいうところ「私の愛しい人」という感じの意味です。その言葉は、まだ恋の真っただ中にいる熱が冷めやらぬカップルが使う印象があるので、子どもが2人もいる「事実婚パートナー」同士の彼女の口から出てきたことに、胸キュン・ノックアウトされてしまいました。

一方、私は旦那の方を「モン・マリです」(私の夫)と紹介しました。この「夫」というなんだか社会的な立ち位置を意味する名前と「私の愛しい人」と言って紹介する方法の間に、ものすごい愛の熱量の違いを感じませんか?

事実婚の場合、相手を「夫」と呼ばずに「恋人」のように紹介できることは、たとえ子どもを持つ「母」と「父」の関係になっていたとしても、相手を異性として忘れないようにできるスパイスになっていると思います。

また、いつでも簡単に別れられるという制度上の関係は危うくもあるからこそ、お互いのことを意識して、緊張感が持てる気もします。

しかも、結婚までしなくとも、事実婚をしさえすれば結婚と同等の免税が受けられるので、あえて結婚するメリットがないと感じる人も少なくありません。

フランス人の中には事実婚をして、子どもを持ってから、ゆくゆく結婚をするカップルもいます。

「結婚」と「事実婚」。どちらを選ぶかは、カップルの置かれた状況や、生き方のスタイルによるところが大きいです。中にはこの2つのどちらにも当てはまらないフリースタイル・カップルだっています。

日本だと、「結婚をしていない」ことは何か一般のルールからはみだしているような面がありますが、本当はいろいろな人がいるだけの、いろいろなカップルの形が存在できる制度が日本にもあったらいいのにな、と思うのです。

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