和歌山の海に浮かぶ非日常…ウワサの「ラピュタの島」に行ってみた!

和歌山の海に浮かぶ非日常…ウワサの「ラピュタの島」に行ってみた!

ジブリの世界に迷い込んだみたい!
ジブリ作品の中で一番好きなタイトルは――? 皆さんも、一度はそんな話題で盛り上がったことがあるでしょう。実際にまわりに尋ねてみると、『風の谷のナウシカ』や『となりのトトロ』など、実にいろんな答えが返ってきますが、中でもとりわけ高い支持率を誇るのは『天空の城ラピュタ』ではないかと感じます。きっとALICEY読者の中にもファンは多いはず。

では、そんなラピュタの世界観にそっくりな場所が、日本に存在するのをご存知でしょうか?

和歌山県の沖合に浮かぶ「友ヶ島」は、レンガ造りの遺跡が緑と絶妙に調和し、「ラピュタの島」として親しまれているのです。

友ヶ島とは、複数の無人島の総称。神島、地ノ島、沖ノ島、虎島の4島からなり、主には沖ノ島のことを指しています。加太港から友ヶ島汽船の定期便でおよそ20分。料金は往復で大人2,000円。釣りやバーベキューを目当てに、通年、多くの観光客でにぎわうレジャースポットとなっています。
そんな友ヶ島が「ラピュタの島」と呼ばれる所以は、ここがかつて日本軍の要塞として活用されていたから。

たとえば、静かに佇むこちらの建物……。
レンガ積みの外壁と入口部分のアーチがなんともオシャレですが、これは戦時中、弾薬庫として使われていたものなのです。
70年も経っているのに、造りは非常に堅牢。中はきれいに清掃されており、土砂の滞留もありません。ただし、照明設備などはなく、奥まで見学するのであれば、懐中電灯が必携です。
そしてこちらは砲台の跡。中央の円形のスペースが、まさに大砲が据えられていた部分です。
どこか物々しくも神秘的。70年前までここから砲撃を行っていたなんて、とても信じられません。
また、少し歩くと森の中に照明所の遺構も。中にはサーチライトを上げ下げしていたらしい吹き抜けがありました。

こうした戦争遺跡は全国に数多く残っていますが、これだけ気前よく内部まで立ち入らせてくれるスポットは稀。非日常を味わうには絶好のスポットと言えます。

ただし、あまりに傷みが激しいため、立ち入りが禁じられている遺構も。
こちらは第二砲台跡。湖風が直撃する立地にあるためか、激しく崩落しています。しかし、これはこれで70年の経年を感じさせ、なかなかの迫力……!
個人的なイチオシは、2002年になるまで発見されなかった海軍聴音所跡。海を臨む小高い丘に、樹々に埋もれるようにひっそりと建っています。ここでは、ソナーで海中の音をチェックし、敵艦のスクリュー音をいち早く察知する役割を担っていたのだとか。
内部にも入れます。廃墟然とした佇まいが、これまた非日常感たっぷり。
トイレの跡も残っていました。もちろん水洗設備などあるわけもなく、そのまま海に放出される方式。かつてここで実際に人が配備されていたことを、生々しく感じさせます。

友ヶ島にはこうした遺構が多々残っており、およそ2~3時間で一通りまわることができます。運が良ければ、島内で野生の鹿に出合うことも……!

なお、こうしたトレッキングがてらの散策に適した戦跡スポットは、他にもさまざまあります。
たとえば関東で有名なのは、東京湾の無人島「猿島」。横須賀・三笠の桟橋から定期便で10分ほどと、都心からのアクセスも良好です。
また、北海道の函館山の山中にも、同様の要塞跡が残されています。崩落が激しいため、一部は立ち入りが禁じられていますが、函館の街を一望するロケーションと合わせてムードは抜群!
ちょっと変わったところで、奄美大島にも。こちらは観測所の跡で、太平洋を見渡す小高い丘に建っています。

折しも戦後70年の節目。この秋のトレッキングに、戦跡をめぐってみるのもいいかもしれません。

(友清哲+ノオト)

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