食べる喜びで、心も体もキレイに! 美容料理家・松野エリカさんのレシピの裏側  

食べる喜びで、心も体もキレイに! 美容料理家・松野エリカさんのレシピの裏側  

【人気ブロガーさんに聞くレシピの裏側Vol.2】
「食べてキレイに…」の実現を目指すレシピを提案している美容料理家・松野エリカさん。お話をうかがうと、健康的な美しさを追求する楽しいお料理が生まれた裏側には、私たちと同じ悩みや苦しみもありました。

■キャベツだけのお弁当……過酷なダイエットの日々

――美容料理家として活躍する松野さん。でも、思春期にはかなり不健康な日々を送っていたとか。

「はい。幼いころから食べるのが大好きで、高校生になってからも、それが止まらなくて。当時好きだった男の子に『お前ムチムチやな』って言われて、すごくショックを受けたんです(苦笑)。それで火がついてダイエットを始めました。若くて代謝が良かったので、食べる量を減らすだけで、最初の1カ月で5kg減。着られなかった洋服が着られるようになってうれしくなってしまって、より過酷なダイエットに挑むようになっていきました。食べ物は全部カロリーで判断。お弁当は毎日キャベツの千切りだけ。そうなると典型的な負のスパイラル。ちょっと食べるとすぐリバウンドしちゃうんです。食べることが恐怖で、食の楽しみを失っちゃっていましたね」

――何をきっかけに、負のスパイラルを断ち切ったんですか?

「高校卒業後、短大に通いながらモデル活動をしていたのですが、ついに体が悲鳴をあげて、休養することになってしまったんです。モデルの世界は体が細くて当たり前。もっとやせなきゃというプレッシャーの中、無理なダイエットを続けていたんです。めまいはするし、現場で立っていられないし、貧血もしょっちゅうで、周りにも迷惑をかけてしまう。これはまずいぞ、10年後に本当にだめになるってひしひしと感じました。トップモデルさんは、健康的に体力を維持する方法を、きちんと持っていらっしゃるんですよ。そのころの私は、ちゃんとした知識を持っていなかったんです」

■マクロビとの出合いで、食べる喜びが再熱

――今の松野さんの明るい雰囲気、そしてレシピからは想像できない、辛い時期があったんですね。

「一方で、短大では栄養学を専攻していました。せっかく学校で栄養について学んでいるのに、私がモデルの現場でやっていることは間逆だったんです。でも、休養中に思い出せたんです。私、食べることがすごく好きだし、作るのも好きじゃないかって。子供のころ、家族に料理を作ったり、図書館でレシピ本を読んだりするのがすごく楽しかったんです。この振り返りが美容料理家になるきっかけでした。今度は専門学校で2年間、しっかり栄養学を勉強。その後、料理の腕を磨くために、レストランの厨房で働きました。1日、立ちっぱなしのお皿洗いからのスタートでした」

――真剣に取り組まれたんですね。この間、体の不調は改善されたのですか?

「はい! この時に出合ったのが、東洋医学の食事療法であるマクロビオティックでした。私にすごく合っていて、驚くぐらいすぐに不調が改善されました。具体的にいうと、症状がひどかった生理痛が楽になったんです。そもそもの原因は乳製品を取り過ぎていたこと。朝はヨーグルト、昼にはクリーム系のパスタで、カフェラテ1日に2杯を10年間続けていたんです。カルシウムは取った方が良いと思って、過剰摂取してしまっていたんですね。これをマクロビの考え方で改善できました」

――マクロビというと、玄米菜食でストイックなイメージがあります。

「私も、食べちゃいけないというルールでガチガチに固められたものだと思っていました。でも実際は、『バランス』と『バラエティ』と『タイミング』。お肉もお魚も食べますし、制限食ではないんです。現代人の不調は、余計なものを摂り過ぎているということ。それを引いて、逆に足りていないものは何かを考えることが重要なんです」

■忙しいからこそできること、するべきこと

――レシピサイト『Nadia』で紹介されているレシピでも、単純にカロリーオフというのではなく、「やっぱり楽しく、おいしく!」というものが数多く紹介されていますね。

「例えば『お豆腐ヘルシーキッシュ』。キッシュは、卵や生クリームをたくさん使って作るメニューですが、豆腐や豆乳を使って、食べ応えやおいしさは押さえつつ、カロリーを通常の半分に落とすことができます。混ぜて焼くだけなのでカンタンですよ」

――バランス、バラエティ、タイミング。それをカンタンに作れることも大切ですね。続かないと意味がないですし。

「皆さん、お忙しいですものね。私もレストランで働いていた時は、本当に難しかったです。12時間立ちっぱなしで、まかないが食べられない時もある。それでも毎朝、元気に仕事に向かって、1度も風邪を引かずにいられたのは、家に帰ってお米と、お味噌汁などの発酵食品を1日1回食べていたから。お休みの日にご飯をまとめて炊いて冷凍庫に保存して、食べる時に電子レンジでチン。それぐらいのカンタンさでいいと思うんです。私のレシピのテーマも、いかにカンタンに作れて、おいしく楽しくヘルシーに食べるかということ。皆さんが気軽に家でやっていただけるものを考えています」

■気持ちをキレイにするレシピ

――がんばる女性たちには、楽しく食事をしていただきたいですね。

「レシピの試作をしていると、ぼんやりとですけど、常に誰かの笑顔が浮かびます。料理って誰かのために、と考えると明るくなりますね。皿洗い時代も、先輩から『仕事で辛いと思ったら、お客さんの笑顔で解消しろよ』って言われてたんです。そのころはあまり意味がわからなかったんですけど、今は体感しています」

――人の笑顔が見たいからいろいろなレシピを紹介していく。その中で、『食べてキレイに…』をコンセプトにされています。どんな思いを込めているのですか?

「自分が過酷なダイエットをしていたころ、すごくネガティブだったんですよ。栄養が足りていないからいつもイライラ。嫌なことはぜーんぶ人のせい。それを自分でもダメなことだとわかっているのにやめられないんです。内面から美しくなるには、やっぱり食は大切。良い食生活を送っていれば、自分自身も好きになれると思うんです。赤ちゃんからご老人まで、いろいろな女性に内面から美しくなっていただきたいんです」
――『食べてキレイに…』を広げていくために。今後の予定をお聞かせください。

「今、レシピ本執筆しているので、それをもとにした、女性が食べてキレイになれる料理教室を開きたいですね。それから、普段、摂りすぎているものを控えて、逆に女性が必要としている自然のものと置き換えた低脂肪&低カロリーのスイーツを開発していきます。大好きなスイーツを食べているのに罪悪感……なんて嫌ですから!」

食べることが好きな気持ちと、家族との楽しい食卓の思い出が原点だという松野さん。『美容料理家』とは、決して、外見だけを整えるための料理を考える仕事ではありません。美しくすべきはまずは、内面。松野さんは、そのためにマクロビや、学生時代に専攻した病気の方のための療養食の知識なども活用しつつ、明るく楽しいレシピを提案しています。その気になるレシピはNadiaをチェックしてみてくださいね!

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