おいしさの秘訣は「面倒くさがり屋」!? 料理研究家・加瀬まなみさんのレシピの裏側

おいしさの秘訣は「面倒くさがり屋」!? 料理研究家・加瀬まなみさんのレシピの裏側

【人気ブロガーさんに聞くレシピの裏側vol.1】
「誰にでもカンタンに!」「でも見た目は素敵に!」を実現するレシピを紹介している人気料理研究家・加瀬まなみ先生。今回は、オリジナルレシピの秘密や、おいしく見せるための撮影術など、その人気の秘密に迫ってみました。

■はじまりは「キッチン☆ドリーム」

――レシピサイト「Nadia」を始め、様々なメディアや料理教室の講師として活躍している加瀬先生ですが、もともとは、いわゆる「普通のOLさん」だったそうですね?

「はい。会社員時代の最後はシステム部門で働いていました。当時はまだインターネットの黎明期。個人でホームページを持っている人はほとんどいない時代でした。そこで、業務以外でもHTMLやホームページ作りの勉強をしようと思い、趣味で作り貯めていた自分のレシピをネット上に公開しました。それを面白いと思ってくれた出版社からお話があったのが、料理研究家デビューのきっかけです」

――その後、ネットだけでなく、テレビ番組などにも出演されたとか。

「『TVチャンピオン』ですね。『3分料理人選手権』という、いろいろな料理を3分以内で作って戦うという番組で準優勝しました。その時、番組の方が付けた私のキャッチフレーズが『キッチン☆ドリーム』でした(笑)。確かにこの後、いろいろなテレビのお仕事もいただきました。料理の専門学校に入ったわけでもなく、著名な先生の弟子になったわけでもないのに、普通のOLがとんとん拍子にメディアに出られたのですから、確かにキッチンには夢があったのかもしれませんね」

■「面倒くさがり」だからこその、一生懸命

――3分料理は極端としても(笑)、加瀬先生のレシピはカンタンにできて、華やかなものが多いです。

「理由は、私自身、面倒が嫌いだから。今日は料理を作るぞー、って気合を入れて特別な材料を買いに行くのもなんだか面倒ですし、仕事終わって疲れて帰ってきてから、食材探すのもいやじゃないですか。料理の工程も、減らせるところは減らしたいんです。たとえば『鶏肉に衣をつけて、はたく』というレシピを見た時に、それ、必要なさそうと思ったら、まず試してみます。だって楽ができて、おいしさが一緒で、テーブルが華やかに見えたら、それが最高ですよね」

――とはいえ、そのカンタンを見つけるために、裏では相当な研究をしているんですね。

「私は、さぼるために一生懸命なんです(笑)。どれだけ工程で工夫すれば洗い物が減るだろうとか、ホットプレートでいかにカンタンにパエリアを作るかとか。料理って良い意味で底なしの世界。こんなもんだろうなー、っていう先にもっと工夫して楽になれることがあったり、楽にしたことによってかえってもともとのレシピよりおいしくなったり。ただし、工程を省略することでおいしさに悪い影響が出ちゃったらダメ。省略していいことと、してはいけないことを見極めるのも研究のテーマ。料理の研究は、普通の趣味と違って、生活の一部でもあるし、やめる理由もない。これからも、みなさんが面倒くさがりでも料理を楽しめるように研究を続けますよー」

■きれいな写真で紹介したいから、Nadiaでリスタート

――ご自身のブログや、さまざまなブログサイト、書籍などを通じて、現在までたくさんのレシピを発表されてきましたが、最近では発表の場を絞っているとか?

「15年ぐらいで1000を超えるレシピを紹介してきたのですが、いつかはお掃除してまとめなければいけないなと思っていました。昔のカンタンではないやり方が残っていたり、今は当たり前になっている食材や道具が反映されていなかったりすると、ご覧になる皆さんも混乱されますよね。その中で一番気になっていたのは写真。レシピにとって写真はとても重要。最近は新しいカメラを買って撮り方も勉強して、昔のレシピを改定しながら写真も撮り直していたんです。そんな時に紹介いただいたのが『Nadia』。今は、ここを発表の場にしています」

――その理由は?

「今までのレシピ写真は、横位置が多かったんです。でも最近わかったのは、写真に奥行きがあったほうがいいということ。そこで昔のレシピも縦位置で取り直していたんですけど、Nadiaのフォーマットが縦位置で、これはちょうど良いなと。デザイン自体も素敵ですし。それと登録する上で審査があるというところにも魅力を感じました。レシピを検索して、難しすぎたり、写真がきれいじゃなかったり、『ただ試しに作りました』みたいなものに出会ったりすると、なんだか皆さんもやる気が出ないですよね。ちゃんと審査を通った方々がレシピを発信しているNadiaは、検索していただける皆さんにとっても有意義だと思いました」

■スペインの「おいしい!」をもっと身近に

――さて、新しい発表の場を得た加瀬先生ですが、最後に今後の活動について、教えていただきましょう。

「今、力を入れているのはスペイン料理です。両親が仕事の関係で一時期スペインに滞在していたということもあり、私にとって縁のある存在。その豊かさをもっと伝えたいと考えて活動してきました。『スペイン料理で思い起こすものは?』と聞くと、だいたいの人はパエリアしか出てこないのが現状。でも、米や魚といった日本人にもなじみが深い食材もふんだんに使いますし、素材を引き出したり、だしをとったりなど、和食との親和性もいい。最近は素敵なお店も増えていて、本場の雰囲気を楽しめる場が身近になってきました。じっくり時間をかけて、しっかり作る料理はお店にまかせて、私はスペインの家庭でお母さんが作るような料理を、日本の家庭に広げていきたい。『意外にカンタン、でも楽しい』と思ってもらえるスペイン料理レシピを発信していきたいです」

いかに楽に、いかにおいしくできるか。加瀬先生の料理への意外な姿勢を知ることができました! 加瀬先生の考案するレシピは、初心者でも気軽にチャレンジできるカンタンなものばかり。普段、あまり料理をしない面倒くさがり屋のあなたも試してみてはいかがでしょうか。気になるレシピは、Nadiaをチェックしてくださいね!

画像提供/Nadia

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