失恋の特効薬は南の島!? 場所を移動することで癒される痛手

失恋の特効薬は南の島!? 場所を移動することで癒される痛手

【三谷晶子の島暮らしあるあるVol.4】
傷ついた心を持つ謎めいた女が、南の小さな島にやって来て……。

という感じで始まりを説明できる小説は近年たくさん。ざっとしたところで、原田マハさんの「カフーを待ちわびて」、小川糸さんの「つるかめ助産院」、宮城あや子さんの「群青」なんかが思い浮かびます。

では、実際に「傷ついた心を持つ女性は、南の島で癒される」のでしょうか?

私が実感した「島暮らしあるある」失恋編をお伝えしたいと思います。

■まさに「あるある」な失恋きっかけで始めた島暮らし

道端に咲くハイビスカス。メジャーなのは赤ですがこんなピンク色もあります。
私が加計呂麻島に来た理由はいろいろあったのですが、東京で同棲していた恋人と別れたのもきっかけのひとつでした。

もともと彼の名義で借りていた家からは、私が出て行くことに。一緒に住んでいると洗濯機や冷蔵庫なども1つだけ。家財道具もイチから買い揃えなくてはなりません。

別れ話はなかなか体力を使うもの。そこから家を探して、家財道具も揃えて、引っ越しをする元気は当時の私にはありませんでした。

そこで思い出したのが1年ほど前の友人のFacebookの投稿です。

「加計呂麻島の塩工房で塩作りのお手伝いをしつつ、1カ月ほど滞在してみませんか?」

いわゆるWWOF(農業を営んでいる家などに食と住を提供していただく代わりに労働力を提供するシステム)のような形の募集です。

家探しもしなくていい、家財道具も買わなくていい、しかも、私、南の島好きだし、いいじゃん! 

そう思ってもろもろを片付け、私は1カ月後、加計呂麻島に降り立っていました。

■環境の激変は失恋に対する一番の特効薬

家の最寄りのビーチにあるブランコ。徒歩3分で海と山しかない場所に出られます。
加計呂麻島に行くことを決めたのは、はっきり言って単なる勢いでしかありませんでした。しかし、今思えば、「環境をがらっと変えること」は痛手を癒す最良の方法だったのではないかと思います。

先日、恋人と別れてすぐの友人と話をしたら、

「TULLY'Sなんかで別れるんじゃなかった! 町で見かける度に思い出す!」と言っていました。

待ち合わせをした駅、彼に会うのが待ち遠しくて走った帰り道、一緒に行ったレストラン。

たとえ引越しをしても同じ東京にいる限り、どうしても思い出はつきまとうものです。

しかし、「ホノルルより遠い」レベルの島に来たら、TULLY'Sどころかコンビニやスーパーすらない。もちろん、駅もレストランもありません。つまり、思い出を掘り起こすようなものは何もないわけです。

掘り起こすようなものがないので、島に来てから、過去は本当に一気に昔になりました。

前の恋人には大変失礼な言い草ですが、以前のできごとは、

なんか……、すごく遠い前世って感じ……。

というのが正直なところです。

■失恋したなら、いっそ、南の島に行っちゃえば?

現在、私の住む家からは、初夏に赤い花を付けるでいごという木に囲まれた白砂のビーチが見えます。東京で暮らしていたころには、ありえなかった環境です。
目に映る景色ががらりと変わると、心境も変わるもの。

疲れたり、迷ったり、何もかも失ったような気持ちになったら、いっそ南の島に来てみるといいかもしれませんよ。

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