生きてる伊勢エビ、鍋からヤギ汁…南の島ならではのプレゼント事情

生きてる伊勢エビ、鍋からヤギ汁…南の島ならではのプレゼント事情

【三谷晶子の島暮らしあるあるVol.1】
こんにちは。東京生まれ、東京育ち。ですが、現在、「羽田から7時間以上かかる」鹿児島県・奄美群島の加計呂麻島(かけろまじま)に住んでいる小説家の三谷晶子です。

柔らかくやさしい海の色や、船から港に降り立つときにぐっと色濃く香る緑の山々、そして昔の日本はこうだったのかもしれないと思うような人と人との繋がりが残るこの場所に魅了されています。
自宅から一番近い港、生間(いけんま)港からの景色。実際は写真よりもさらに綺麗です。
しかし、都会暮らしで普通だったことが、島暮らしでは全く通用しないことも。逆に島の普通が、都会育ちからすると衝撃的だったりします。

そんな私の見聞きした「島暮らしあるある」をお話していこうと思います。

■生きている伊勢エビをいきなりプレゼントされた顛末

こちらは現在住んでいる加計呂麻島のペンションに宿泊した時に出てきた伊勢エビ。漁師さんがさばいてくださいました。


加計呂麻島に住むより10年ほど前、同じく鹿児島県の沖永良部島(おきのえらぶしま)に半年ほど滞在していたこともある私。

当時、伊勢エビを食べたことのなかった私は、知り合った方にこう言いました。

「伊勢エビ、この辺で採れるんですか? 私、食べたことないんです」

その翌朝。ノックの音で目を覚まし、ドアを開けると、目の前には昨日の方。そして、その方の手には、触覚も足も元気にピクピクしている生きた伊勢エビが入った網がありました。

「昨日、伊勢エビ食べたことないって言ってたから、あのあと採ってきた」

はにかみながら言うその方、その間もガシャガシャと暴れ回る伊勢エビ。

生きているエビを鍋に入れてボイルするの、テレビで見たことあるけど、それを、私にやれと?

ていうか、この伊勢エビ、30cm近くあるんですけど……。

無理。絶対、無理。 

幸い、島で仲良くなった方に居酒屋勤務の人がいたので、そこに持ち込んで、おいしく頂いたのですが、

女「私、伊勢海老食べたことない」

男「じゃあ、今度おいしいお店に連れてくよ」

という会話は都会でしかありえなく、

女「私、伊勢海老食べたことない」

男「じゃあ、今日潜って採ってくるわ」

島ではこうなる、というのが肌で感じた瞬間でした。いや、おいしかったんですけどね……。

■花束はドラゴンフルーツの花、道端で夜光貝、鍋からヤギ汁

道端にはあちこちに花が。白砂のビーチとハイビスカス。
他にも沖永良部島では、夜しか咲かないドラゴンフルーツの花を見せるため、車で1時間かけて来てくれた方や、ダチョウ牧場に案内してくれたあと、「何なら食べてみる?」と言ってくれた方(島ではダチョウはわりとメジャーに食用として流通していました)、「風邪をひいた」って言ったら、飼っている鶏を絞めて、鶏まるごと入りのサムゲタンを差し入れてくれた方も。

現在住んでいる加計呂麻島でも、道端で漁から帰ってきた方から巨大な夜光貝をいただいたり、「家の台所の鍋にヤギ汁入ってるから、鍋持って取りに来なさい」と言われたり、東京ではなかなかない贈り物やおすそ分けをいただいています。
最寄りのビーチ、諸鈍長浜の夕陽。散歩に出かけると、時折、通りがかりに魚や野菜をいただきます。
島ならではのプレゼント事情。

最初はちょっと驚きますが、素晴らしい島の自然とやさしい島の方々からいただく贈り物は、それこそ「恵み」って感じがして、私は大好きです。

関連記事